避難所では、生活空間は土足禁止にしたほうが健康を保ちやすいのでお勧めです。
というのも、避難所の就寝場所がすべて床面から20cm以上の高さがある場所ならいいのですが、そうでない場合、土靴から落ちた汚れやごみ、ウイルスや雑菌などを吸い込んでしまい、呼吸器系の病気を発症することが多くなります。
日本では床に直接寝る習慣があるために靴を脱いで生活空間に入るという習慣ができたのだと思いますが、これは理にかなっています。
地表に舞っている病気の元であるゴミやほこりなどを吸い込まないために、靴を脱ぐ習慣になっているのです。
逆に靴を脱ぐ習慣のない国では、寝る場所の高さを上げてベッドというものになっていて、地表で舞っているさまざまな雑菌から呼吸器系を守るようになっています。
とはいえ、避難所は人の出入りも多く、土足を禁止してもしっかりとした衛生面の確保は難しいと思います。できるなら土足は禁止したうえで、床から少しでも高さを上げたところで寝ることにするようにしてほしいと思います。
避難所の生活空間での土足を禁止することは、避難所で大きな病気を出さないためには大変重要なポイントです。
カテゴリー: 避難所
ペットの避難先を考える
住んでいる場所から避難すべき地域のお住いの方でよく問題になるのが飼っているペットの扱いです。
実際に避難を呼びかけた時、ペットがいるからという理由で避難をしない人やペット連れで避難所に避難してトラブルになるケースもよくありますので、平時にしっかりと話を決めておかないといざというときに逃げ遅れることになってしまいます。
実際、環境省などの呼びかけではペットとの同行避難が推奨されていますが、同行避難は同じ避難所に避難できるというだけで、同じ空間にいることができるわけではありません。
そして、一緒の空間で避難ができる同伴避難を受けいれている避難所は、そんなに多くないのが現実です。
最近ではペットのみ受け入れるペット用の避難所も出てきていますが、絶対的な受け入れ数が少ないことと有償であることが基本なので、事前にきちんと打ち合わせをしていない限り、いきなりの受け入れはかなり難しいものがあります。
一緒に過ごすという点では「車中泊」という選択肢もありますが、しっかりした宿泊設備がない状態だと、飼い主にもペットにもかなりの負担を強いることになってきます。
そして、一番の問題はペットの種類が非常に多岐にわたること。
ペット可の避難所でも、想定は犬や猫で、例えば蛇や昆虫といったものを想定しているところはないと思います。
ではどうするか。
正直なところこれだという解決策はないですが、まったく違う場所に住んでいる人とお互いに応援協定を結んでおくか、それとも安全な場所をもう一か所確保しておくか、いずれにしてもペットが安全に避難できるための場所を確保しておく必要があります。
自分の身を守るために、ペットの行き先についてもしっかりと考えておいてほしいと思います。
「大丈夫」という情報の大切さ
災害が起きた時に自分に大きな被害がなかった場合には、あえて自分は大丈夫という情報発信はしないという方が多いと思います。
特に大きな災害の場合には、短時間で相当数の安否確認の電話やメールが集中してしまうので、通信環境への負荷を防ぐという意味でも発信を控えるということはよくあることだと思います。
ただ、心配している人から見ると情報発信がないというのは「大丈夫」だから発信していないのか、それとも「発信できないような状況」になっているかがわかりませんので、不安に駆られて相手が出るまで電話やメール等を送り続けて通信環境を悪化させてしまうことが発生します。
被災地外で被災地にいる人の心配をする人は、とりあえず無事なことがわかればいいのですから、とりあえず被災地にいる人は自分が大丈夫である旨の情報は発信したほうがいいわけですが、電話やメールでやりとりしていると状況はあまり変わりません。
SNSや災害時伝言ダイヤル、災害用伝言版などを活用して、なるべく通信環境に負荷をかけずに大丈夫なことが伝えられるといいと思います。
SNSであればいいのですが、災害時伝言ダイヤルや災害用伝言版では一つ気を付けておかないといけないことがあります。
それは「鍵となる電話番号を決めておくこと」です。
「J-Anpi」というシステムによって、固定電話、携帯電話会社に関係なく、登録されている伝言はどこからでも見たり聞いたりできるようになっていて、いちいち探す手間はかなり減りました。
ただ、J-Anpiの伝言を聞くためには鍵となる電話番号が必要となります。
「もし自分が被災したとき、安全だったら伝言を出しておくから、〇〇番で検索してくれ」という情報を連絡してくるであろう相手に伝えておくことで、いざというときに通信環境に負荷をかけずに安否が確認できます。
これは家族間でも同じことで、いざというときにどの番号で伝言をやりとりするのかについては事前に決めておくようにしてください。
また、災害時伝言ダイヤルや災害時伝言版は平時でも訓練用に開放されているときがありますので、そういった機会を使って、実際にやりとりする練習をしておいてください。
「私は大丈夫です」ということを伝えることは大切な情報です。
自分が無事だから発信しなくても大丈夫、ではなく、無事だからこそ大丈夫だという情報を早めに発信するようにしてください。
J-Anpi(J-Anpiのウェブサイトへ移動します)
NTT西日本の災害への備え・対策サイト(NTT西日本のウェブサイトへ移動します)
あるものでなんとかするには
災害が起きた後は、とりあえずあるものでなんとかするしかありません。
ですが、あるものでなんとかするには、あるものの活用法を知っておかないとなんとかすることができません。
一番いいのはあるものでなんとかする羽目にならないような準備がされていることなのですが、なかなかそこまで準備のできている人は少ないような気がしています。
あるものでなんとかするためには、その場にないが必要になったものの特徴を考えてみる必要があります。
その特徴を満たすような代替品を探すと、案外となんとかなったりします。
例えば、座布団で考えてみます。
座布団の機能は床の固さの緩和、床の冷気の遮断といったところになると思います。
そうすると、その場にビニール袋と新聞紙があれば新聞紙をくしゃくしゃにしてビニール袋の中に入れれば、とりあえずの代替品になるかもしれません。
大き目のボールがあれば、その空気を抜くことで代替品ができるかもしれません。
緩衝材があれば、袋にいれれば手軽に座布団ができるでしょう。
こんな風に、機能を考えることで代替品を用意できることがあります。
もちろん代替品の候補がどんな機能を持っているのかを知っていないとそもそもどうにもならないので、いろいろなアイテムの機能や特徴を調べて知っておくといいと思います。
例えば、極端な例ですが、穴が開いているからと言ってちくわをストローの代わりにすると、ちくわストローを使って飲んだ飲み物はみんな魚の味に染まってしまいます。
つまり、素材の特徴も知っておかないといけないということです。
あるものでなんとかすることは、ないに越したことはありません。
あくまでも代替品を作ることができるという前提で、必要なものの準備を怠らないようにしてください。
防災ポーチと防災ボトル
手軽に持ち歩ける防災アイテムとして「防災ポーチ」というのがあります。
マスクやエマージェンシーブランケット、お手拭きや懐中電灯、ホイッスルなどが小さなポーチに入っているのですが、最近は防災ボトルというのが発売されています。
プラスチックの飲料用ボトルを収納容器につかって、中に防災ポーチと同じようなアイテム類が収められているもので、防災ポーチに比べると場所を取りますが、重要な問題の一つである「水」を確保する容器がついている非常に実用的なアイテムだと思います。
学校や外回り用のカバンであまり大きな空間が確保できない場合には防災ポーチ、お出かけカバンなどで収納に余裕があるのであれば防災ボトルと、持ち歩くカバンに併せて作ってみるといいと思います。
どちらもあまりたくさんは入れられませんので、必要と思うアイテムを厳選し、どこにでかけるときでも最低限の防災用品が備わっているようになっているといいですね。
ちなみに、12月18日に開催する「持ち出し用防災セットを作ろう」では、ポーチかボトルのどちらかを入れ物に選んで作成を行います。イメージがしにくかったら、そういった企画に参加して確認してみるのもいいと思います。
使うか使わないか、使えるかどうか
非常用持ち出し袋のことは防災の話をするときには必ず出てくるものですが、あなたは準備をしていますか。
市販品もさまざまな種類や内容で作られていて、それさえ備えれば準備ができたような感じがして安心できます。
もちろん、一つ一つ自分が吟味したアイテムで作る非常用持ち出し袋なら、何が入っているのかが把握できているので安心できます。
ただ、どちらにしても大切なことが一つ。
それは「そのアイテムはちゃんと使えますか」ということです。
非常用持ち出し袋ではさまざまな便利アイテムが入れられていますが、多機能すぎてどうやって使うのかわからないものや、それなんで入ってるのといったものがセットされていることがあります。
非常用持ち出し袋の一覧表には、基本的にそのアイテムをどうやって使うのかまでは書かれていないことが多いので悩んでしまうこともあるのですが、自分が使いかたのわからないアイテムは使わないと考えてください。また、居住環境によって備えないといけないアイテムもさまざまに変わっていきます。
市販品であれ、オーダーメイドであれ、非常用持ち出し袋を作る時にはそれがどんな時にどんな使い方をするものなのかをきちんと確認して、自分が納得してからアイテムに加えるようにしてください
【活動報告】「はじめての防災キャンプ冬の陣」を開催しました
去る11月5日から6日にかけて、益田市北仙道公民館において「はじめての防災キャンプ冬の陣」を開催しました。
今回は13名の子供たちが参加してくれ、一泊二日で疑似避難所での避難体験をしました。
当日の夜はかなり冷え込み、子供たちもなかなか眠れなかったようですが、それでも最後まで元気いっぱいにさまざまな企画に挑戦していました。
「またやってほしい」というご意見をいただきましたので、春になったらまた企画してみたいと考えていますので、興味のある方はご参加ください。
今回参加してくれた子どもたち、参加を許可してくださった保護者の皆様、忙しい中を手伝ってくれたスタッフの皆さん、北仙道公民館様をはじめ、さまざまな形で支援してくれた皆様にこころから感謝します。
本当にありがとうございました。
【活動報告】おたがいさま益田様で防災研修を行いました
去る10月17日、益田市高津町の生協益田支所様にて、おたがいさま益田様の防災研修会の講師をさせていただきました。
テーマは災害から命を守るにはということで、ハザードマップと防災と聞いて思いつくアイテムを一つご持参いただき、それについて参加者同士で話をしてもらいました。
また、実際の音声を聞きながらの避難訓練や、非常時に使われる警報音を聞いていただいたりと、盛りだくさんの内容でやらせていただきました。
ただ、研修よりも展示物のほうが興味をもっていただけたようで、展示していた簡易トイレやエマージェンシーシート、非常用のアイテムの入ったボトルなどをについてあれこれとご質問をいただきました。
次回があれば、今度はそういったアイテム類の見方や使い方、準備などについてやってみるのも面白そうだなと思いました。
今回お声がけいただきましたおたがいさま益田様、そしてご参加いただきました皆様にこころから感謝いたします。
諸般の事情で写真がありませんので、記事にて報告させていただきます。
睡眠をしっかりとれる準備をしておこう
最近の市販品の非常用持ち出し袋には、かなりの高確率で寝るときに使用するエアマットが入っています。
これは避難所または避難場所で睡眠をとる必要がある時に床との間に空気による層を作ることで、寝る姿勢を楽にすると同時に床からの冷気を防ぐ断熱と、床に舞っているほこりを吸い込む確立を少しだけ減らせるという効果があります。
ただ、これだけでは快適な睡眠には程遠く、寝袋や毛布、あるいは布団など自分がしっかりと眠ることのできるための道具を追加しておく必要があります。
一日だけならエマージェンシーシートでもなんとかなりますが、やはり専用に作られた寝具にはかないませんので、できるだけ快適に過ごすためにもしっかりとした準備をしておきましょう。
また、避難所では防犯上夜間も照明がついているので非常にまぶしいですし、周囲の知らない人のさまざまな生活音が聞こえると寝にくいところがあります。
そこで、アイマスクや耳栓などを準備しておくと、寝るときにある程度の快適さは担保されると思います。
余裕があるなら、自立型のテントを持参しておくと、場合によってはテントを展開して中で寝ることもできるのでさらに快適になります。
非常時において、給水、食事、排せつと並んで睡眠は自分の体調を保持するために非常に重要なものです。
平時に、どんな道具なら自分が快適に寝られるのかを調べておいて、非常時に備えて準備をしておいてくださいね。
【終了しました】第2回「はじめての防災キャンプ」を開催します
2022年11月5日から6日に、島根県益田市の北仙道公民館で「初めての防災キャンプ」を開催します。
これは実際に体育館で宿泊をして、避難生活で起きそうなさまざまな出来事を体験したり、防災活動を学んだり、近くを散策して自然観察をしたりするもので、8月に開催した第1回は参加者に好評をいただきました。
新型コロナウイルス感染症の蔓延で参加できなかった方や参加した方から「次回はいつやるの?」というお問い合わせをいろいろといただきましたので、冬に向けて第2回を開催することとしました。
対象は小学生、中学生で、地域は限定しません。
先着15名となっておりますので、興味のある方のご参加をお待ちしております。
また、当日のお手伝いをしてくださるボランティアも募集しています。
短時間でも手伝ってくださる方がおられれば、事務局までご連絡いただければと思います。