大雨などで溝に溺れる理由の一考察

 水害の時、田や川の様子を見に行くといって出かけた方が水死体となって発見されることがあります。
 素人では無く、長年田を作ったり、川の様子を見てきた人が溺れてしまっていることが、正直なところ筆者には理解ができませんでした。
 離れて見ていれば落ちることなどはいはずなのに、いったいどうしてなんだろうと不思議に思っていたのですが、先日ふと流れの速い溝を覗いていてその原因がわかったような気がしました。
 試しに、その時の画像を見てみてください。

 この流れの速さを見ていると、なんとなく吸い込まれてしまいそうな気がします。
 ある程度距離を置き、足場を確保して動かない状態の筆者でさえそう感じるのですから、近くを移動したり、側溝をのぞき込んだ人が中に吸われても不思議ではないなと感じたのです。
 筆者だけの感覚なのかなと思い、その場にいた当所の研究員に側溝を覗いてもらったのですが、やっぱり吸い込まれそうな気になったと言っていました。
 何かの錯覚が引き起こしている現象だと思うのですが、こういったものに巻き込まれないように、見慣れた場所であっても意識して注意して、充分安全な距離を取って様子を確認するようにしないといけないのだと思いました。

溺れそうなときは浮いて待つ

両手両足を広げて背浮きすると、泳げない人でもなぜか浮く。でも練習していないと溺れてしまう。写真は去年当研究所で実施した着衣水泳体験での一コマ。

 まだまだ水の事故が多いようですが、少し前にはライフジャケットは必須であることを書きましたが、今回は溺れたときにどうやって助かるか、ということを考えてみたいと思います。

1.まずは慌てない

 溺れると、とにかく意識だけが助かろうと慌てますが身体がそれについてきません。
 まずは慌てないこと。これが実は一番難しいのですが、助かるのはそんなに難しいことではありません。
 溺れた人のうち、子どもは75%、大人で50%の人は助かっています。

2.なるべく早く背浮きの姿勢になる

 とにかく助かるためには浮いていることが絶対条件です。そして、鼻や口が水面上に出ていなければ呼吸ができなくて死んでしまいます。
 慌てずに背中を水底にしましょう。人間には肺という身体に備わった浮きがありますから、空気が入っていれば必ず浮きます。
 また、浮力を稼ぐために両手両足を広げます。頭を水の上に出すと鼻や口が沈んでしまいますので、頭は水に浸けておきます。

3.服は脱がない

 溺れたら速やかに服や靴を脱ぐ、ということを教わった人も多いと思いますが、状況が落ち着いて救助が望めない場合以外は服を脱ぐのは止めた方が無難です。
 身体にまとわりついてる服は浮力を持っていますので、身体が浮くのを助けてくれます。
 服や靴は濡れていて身体に貼り付いていますから、これを脱ぐとなったらかなりの体力と泳力が必要です。
 浮いているだけであれば大きな邪魔にはなりませんから、服や靴は身につけたままにしておきましょう。

4.足が流れに向くようにしておく

ちょっとした流れに巻かれたとき、足を怪我することが多いので、流れが速くなってきたら気持ちだけ足を上げておくようにしたい。揚げすぎると頭が水に沈むので注意!

 川や海の離岸流では水の流れがありますから、水の流れる方向に足をむけて流れるようにしてください。
 浮くときにはお尻を浮かせ、流れが急な場所では足を浮かせて流れることで、大きな怪我を防ぐことができます。

5.助けてもらえることを信じて待つ

 最後は、必ず助けてもらえることを信じて待ちましょう。見ている人がいれば必ず助けてもらえます。
 助けてもらえることを信じて、とにかく浮くことに注意を向け続けましょう。

 テトラポットや何かの下に潜ってしまわない限り、浮力を常に発生させてくれるライフジャケットは生命線です。
 ただ、ライフジャケットがもし無い状態で助かるためにはどうしたらいいのか。
 最近では着衣水泳を教えてくれる水泳教室や学校も増えてきました。
 残念ながら大人向けはまだまだ少ないのですが、水で溺れるのはこどもに限った話ではありません。
 今年はコロナ禍で、当研究所も含めてそういった水難事故対策の教室がされているところは少ないようですが、機会があれば積極的に受講していざというときに命を守る練習をしておいてくださいね。

参考資料
令和元年夏期における水難の概況(警察庁生活安全局生活安全企画課のPDFファイルが見られます)

川で溺れたときの救助法

 暑いせいか、水の事故があちらこちらで起きています。
 川の事故の場合、最初に一人が溺れ、それを助けようとした人がさらに溺れるという悪循環が起きた結果、亡くなる人が増えてしまっている状況のようで、ちょっと困ったものだなと感じています。
 前にもちょっと触れましたが、水辺、特に川で遊ぶときにはライフジャケットは必須です。意識があってもなくても最低限の浮力があれば、最悪でも溺れて溺死という事態だけは避けることができます。
 では、溺れたらどうなるのかというと、よくドラマであるようなじたばたは滅多にできません。実体験上は身体が動かなくなって静かに溺れていきます。
 そこから意識が取り戻せれば、ばちゃばちゃと溺れているおなじみのシーンになるのではないかと思いますが、もしも溺れている人を救助しようとするのであれば、間違っても溺れてバシャバシャしている人には近づいてはいけません。
 バシャバシャと溺れている人は溺れまいと必死ですから、救助者に抱きつくこともかなりの確率で発生します。そうすると、いくら泳ぎの得意な人でも身体の自由を奪われて一緒に溺れることになってしまいます。
 溺れている人を助けるためには、ある程度重さのある浮き輪や大きめのペットボトルに重し代わりの水をいれたものなどに紐をつけて、溺れている人めがけて投げてそれに捕まらせるようにします。
 溺れている人に救命具を掴ませるのはかなり困難な作業ですが、それでも近づいていって巻き込まれるよりもよほどマシです。
 もしも下流で受け止めるのであれば、ロープなどでしっかりと固定した状態で浮力を確保した救助者が溺れている人を救助します。このときの浮力は、二人以上つかまっていても絶対に沈まないだけのものが必要となります。
 いずれにしても、まずは溺れていることに気づくことが大切ですから、水遊びをするときには必ず監視役を用意し、下流側から全体を見渡せる位置を確保して監視するようにしてください。
 浅くても、下手すると簡単に溺れてしまいますので、安全を確認し、安全装備を確保した上で遊ぶようにしてくださいね。

どこに何があるかを知る

 被災時に痛切に感じるのは、どこにいったら何があるのかを実は知らないということです。
 例えば、家の中に飲める水がどれくらいあるのかを意識したことがあるでしょうか。
 保存している水はもちろんですが、例えばトイレの水洗タンクの中、あるいは太陽熱温水器があれば水だけで無くお湯が手に入ります。
 でも、意識していないと水があるのに水が無いと思い込んでしまうことになりかねません。
 食料でも同じです。冷蔵ものや冷凍ものは冷蔵庫が駄目になるとすぐに食べられなくなると思ってしまいますが、クーラーボックスに詰め替えれば、半日から一日程度は食べることが充分に可能です。
 冷蔵ものの上に冷凍物を乗せておけば冷気で冷蔵物の保温もできますし、冷凍物はそのうち自然解凍されて調理しやすくなります。
 家の中に何があるのかは案外と知らないものなので、災害対策の備蓄を確認する際には、どこに何があるのかをチェックしておくと慌てなくて済みます。
 同じように、自分がいる街のどこに何があるのかを知っておくと、いざというときに自分の命を守ることにも繋がります。
 避難するのに使える場所だったり、公衆電話や公衆トイレ、自動販売機、下水用マンホールなど、普段目にするものでも意識しなければ無いのと同じ。
 家や地域の防災マップ作りは危険な場所を確認するだけで無く、いろいろな資源を知る作業でもあります。
 しっかりと意識して、できれば所在図や地図を作っておいて、災害発生後、自分の生活を守るための武器として使いたいですね。

一長一短の履き物達

 災害時にどんな履き物を履いて避難するのかということについて考えたことがありますか。
 持っているイメージとしては、水害の時には長靴、それ以外は履き慣れた運動靴という感じになるのだと思いますが、実際のところは発生する災害によって最適な履き物が異なります。
 例えば、水害の時には水が溢れていない時期に避難するのであれば長靴で正解なのですが、水が溢れているまたは水の中を歩くときには長靴は向きません。
というのも、長靴は水が中に染みこまない作られているため、中に水が入ったときにも水が抜けないという問題があります。
 溢れている水や水の中の避難をする場合には、かなりの確率で長靴の中に水が入ってきますので、そのまま歩き続けると長靴の中に溜まった水がおもりになって歩きにくくなることが起こります。
 もちろんサンダルは何があるかわからない水の中を歩くのには不向き。一番いいのはマリンシューズということになります。
 ただ、マリンシューズは素材が柔らかく、水中に何かとがったものが沈んでいたりしてそれを踏んづけると大けがをしてしまうことがあります。
 消去法で運動靴がバランスが一番いいのかなと思います。
 ただ、この運動靴も避難所での生活と言うことになると脱着が非常に面倒くさく感じ、サンダルがほしくなります。
 また、後片付けを始めると長靴の必要性を痛感すると思います。
 さまざまな靴があるので、それぞれの目的に応じて使い分けるようにしていただければと思いますが、一つだけ注意してほしいのが、マリンシューズのところでも触れましたが尖ったものの踏み抜きです。
 汚染されたもので怪我をすると、それがさまざまな病気の元になりますので踏み抜き防止の中敷きをしっかりと入れておいてください。

安全と経費

 講習会などで安全の確保の話をすると、ほぼ必ずといって良いくらい「安全確保にかけるお金が無い」という話が出てきます。
 非常用持ち出し袋の話をすると、市販品は高いから買えないとか、どうせタンスの肥やしになるといったお返事が。
 耐震補強の話をすると、耐震診断や耐震補強にかけるお金がない。
 ではどうやって命を守るのだろうかと聞くと、「その時になって考える」とか「それまでには死んでいる」といった答えでがっかりします。
 安全はある程度まではお金で買うことができるものです。一度にお金をかけるのは大変でも、少しずつでも準備を進めていけばそれだけ生き残れる確率は上がります。
 例えば、非常用持ち出し袋の準備では、無理に市販品を買わなくても自分で少しずつ買い足していけば自分にぴったりのものができます。
 家の耐震補強は無理でも、寝室を一階から二階へ移すとか、寝室だけ耐震補強するとか、耐震ベッドを置くとか、少ない経費でできることはいろいろとあります。
 確かに、よいものを一度に揃えても、使わなければタンスの肥やしですし、使えなければ意味がありません。
 非常用持ち出し袋に必要とされるものは人によって異なります。
 防災用品はものによって値段もいろいろですから、まずはお試しの品物を準備し、実際にキャンプやピクニック、BBQなどで使ってみて、必要性を感じたら高性能なものを準備していけば失敗はないと思います。
 今は百円均一ショップでもさまざまな防災グッズが売られていますので、それらで試してみるのも楽しいと思います。
 高額なものよりも百円均一ショップのものが性能がよかったり、やっぱり百均かぁとがっかりしたり。そういったことを繰り返していく中で自分だけの装備が揃っていくのです。
 ちなみに、雨具だけはできるだけ透湿性の高いアウトドア用の機能を持ったものを準備すべきだと思っています。
 登山など長い時間着用しても快適に過ごせるように作り込まれていますので、暑さ寒さをしのぐウェアとしても快適に使うことができると思います。
 せっかくこの世に生まれた命です。災害なんかで死んでしまうのはもったいないと思います。いきなり全てを完璧にすることは無理でも、できる範囲で備え始めれば必ず役に立ちます。
 防災関係の予算を支出する優先度を少しだけ上げて、自分の命を守って欲しいなと思います。

新型コロナウイルス第2波到来?

 新型コロナウイルスが島根県内でもじわりと広がってきている感じで、松江市ではクラスタが、そして県西部の益田市でも新規で感染者が報告されています。
 相手はウイルスなので100%の防御をすることはできませんが、それでもある程度の防御を行うことは可能です。
 現に同じコロナウイルスが原因の一つである普通の風邪は手洗いとマスク、そして飛沫感染防止対策を取ったことで感染者が激減したことは知っておく必要があると思います。6月頃に新型コロナウイルスに変異が起きてそれから後現在の流行が始まったとみられていますが、基本的な防御方法は変わらないと思います。

1.手洗いは石けんを使ってしっかりと手や手首を洗うこと。

 アルコール消毒はあくまでも流水による手洗いができない時の代替手段であり、使ったからといって確実に大丈夫だと言えない場合があることを意識しておいてください。

2.不用意に人が触りそうなものに手を触れないこと。

 新型コロナウイルスは生存性がかなり高いウイルスで、一般的に店舗で売られているような商品の表面だと、数十時間や数日は感染する可能性があることを知っておいてください。
 商品に触るのはその商品を買うときだけにしておいたほうが無難です。

3.人と会うときや人の多い場所に行ったり通過したりするときにはマスクを着用すること。

 マスクは基本的に感染しないためでは無く感染させないために着用しますが、お互いにマスクを着用することで安全度を高めることができます。
 時節柄暑いのでマスクをつけたくない場合には、人と会ったり直接顔を見て会話することは避けましょう。

4.飛沫感染防止対策をしっかりと意識すること。店舗では対策がしっかりとできているところを選ぶこと。

 消毒をしっかりとしていても、唾液やつばからもウイルスは感染しますから、向かい合っての会食はしないことや、距離をしっかりととること、飲食中以外はマスクをしっかりとつけて大声を出さないことなども非常に大切です。

 人間は基本的に群れる生き物ですので、いつかどこかで誰もが感染する可能性はずっと続きます。
 新型コロナウイルスの免疫取得がせいぜい数ヶ月くらいだという中国の報告を考えると出来上がるワクチンでも完全に防ぐことは難しいのではないかという気もしますが重篤化を防ぐという視点で見ると早くできあがってほしいと思います。
 繰り返しになりますが、誰もが新型コロナウイルスには感染する可能性があります。感染しない努力は必要ですが、感染するかしないかはこれだけ人が動いていると運任せの要素が非常に強いと感じています。
 感染者や家族を執拗に探して攻撃をするよりも、まずは自分が感染しないような対策をとり続けることが重要ですから、手洗いとマスクと飛沫感染防止対策をもう一度見直して徹底した方がいいと筆者は思っています。

 もしも風邪の症状があるなと感じたら、かかりつけのお医者様に出向く前に、お近くの新型コロナウイルス関係相談窓口(島根県の場合はしまね新型コロナウイルス感染症『健康相談コールセンター』)へ電話して指示を仰ぐようにしてください。

参考リンク

新タイプの遺伝子配列、ウイルス6月に出現」(読売新聞8月8日電子版)

新型コロナ回復患者の抗体水準、2-3ヶ月で急低下」(ニューズウィーク日本版)

新型コロナウイルス感染症関連情報」(益田市役所)

新型コロナウイルス関連の電話相談について」(島根県)

浸水家屋の片付けや掃除の方法を見てみよう

 全国的に梅雨が終わったと思ったら、今度は台風で浸水被害が発生している地域があるようです。
 家屋が浸水した後の段取りについては、当サイトでもいろいろと触れてはいますが、このたびNHKが浸水家屋について被害状況の撮影方法や片付け、清掃方法をまとめた映像を作成してくれました。
 方法や資機材、期間や再利用できるものできないものなど、とてもわかりやすく説明されていますので、被災した方だけで無く、被災地に支援ボランティアに入ろうとしている方も見ておくといいと思います。
被災地のお片付けは簡単には終わりませんが、時間はかかってもいつかは必ず終わりが来ます。
そのことがよくわかる映像ですので、是非一度ご覧ください。

NHK災害列島命を守る情報サイト「浸水した家屋の片づけと掃除のしかた

家具を固定する理由

野島断層記念館メモリアルハウス内の台所の写真。阪神淡路大震災の野島断層のすぐそばにあった家の震災直後の状況を再現したもの。食卓を食器棚が直撃している。

 災害対策として優先することの一つに「家具を固定する」というのがあります。
では、なぜ家具を固定するのでしょうか。
 一つには倒れてきて下敷きになったり破片で怪我したりすることを防ぐため。
 それから倒れたり壊れたりした家具が避難経路をふさいだりするのを防ぐためです。
 家具に限らず、振動や衝撃で動き出すものは凶器になりますから、複数の固定手段でしっかりと固定し、少々のことでは動き出さないようにしておかなければいけません。
そして、固定する向きにも注意が必要です。幅が広く、奥行きが短い側に家具はよく転倒します。これは揺れや振動に対して奥行きが短い方が先に耐えられなくなってしまうからで、万が一に備えて倒れるときには人のいない方向に倒れるように固定しておきましょう。
 また、家具の扉や引き出しが飛び出さないようにロックや固定をしておきましょう。それらや中身が飛び散るとやっぱり凶器と化します。
 普段使いでいちいちロックは面倒という方には、揺れや振動でロックされるような装置もありますので、それらを活用してください。
 家具が動き出さなければ、怪我をする可能性は低くて済みます。
 また、家具の固定は地震だけで無く、水害時にもこれらの流出や流出による家屋やその他のものを破壊することを止めることができます。
 固定不可の賃貸住宅でも無い限り、あらゆるものは固定しておくことが一番です。
 またどうしても固定できない場合には、固定できないものを集めた部屋を一つ作ることで家具の転倒で下敷きになったり怪我したりする可能性を下げることができます。
 災害対策というと最初に水や食料の心配をするのですが、それよりなにより生き残ることができなければそれ以降の備えが無駄になってしまいます。
 生き残るためには生き残る確率を少しでも上げる準備をすること。
 完璧な対応を取ることは難しいですが、だからといって何もしなければ、あなたが死んだり怪我したりします。そうすると、あなたの救出や安否確認を行うために不要な人手や資機材が投入されることになり、その数が増えれば救出する人手が足りなくなって助かる命も助からなくなります。
 まずは何か一つを固定してみてください。無理なら、せめて倒れてくる方向に人がいない状態を作り上げるようにしてください。
 ほんのちょっとでも作業を行えば、それだけ助かる確率は上がります。
 今からでも遅くはありません。まずは最初の一歩を踏み出して、災害で死なない環境作りに取り組んでくださいね。

川遊びにライフジャケットを

 連日暑い日が続くようになりました。海や川など、水遊びの季節です。
 今年は新型コロナウイルスの影響で仲間達と海や川へ遊びに出かけて大騒ぎはできませんが、家族でこじんまりと楽しく水遊びというのもいいのではないかと思います。
 ところで、川遊びの時にライフジャケットはつけていますか。
 どういうものか、川遊びをしている人はライフジャケットを着けていない人が多い気がします。
 海に比べれば波も無くて安全と言うことなのかなとも思いますが、浮力に関して言えば、海よりも川の方が浮力は低いですので沈みやすいですし、堰堤や橋脚の周囲では川の流れ方が変わって川底へ沈むような水流が発生していることもあり、流れが速いと吸い込まれてしまうこともあります。
 浅い場所でも油断はできません。足のつく場所でも川の上側と下側で流れが異なり、足を取られておぼれてしまうことがあるからです。
 ライフジャケットは身体に浮力を与えてくれる安全装置です。泳いだり遊んだりするのに邪魔にはなりますし陸にいると非常に暑いですが、浮力の足りない川で安全に遊ぶためには絶対に必要なものだと筆者は考えています。
 ただ、ライフジャケットを着けていても、堰堤や橋脚の周りで水中に空気分が多いと浮力を失うこともありますから、ライフジャケットをつけているから完璧というわけではなく、自分たちで安全に遊べる場所も考えなければいけません。
 そういった知恵を巡らせながらの川遊びは、普段とは違った楽しみ方ができると思います。
 海や川で遊べる期間は短いですが、ライフジャケットを着けて安全を確保し、楽しい水遊びをしてほしいなと思っています。