【活動報告】浜田市で防災ディキャンプ&モルック体験会を開催しました

 2023年10月1日に浜田市の「海のみえる文化公園」においてモルック浜田様主催の防災ディキャンプ&モルック体験会に共催しました。
 当日は午前中、島根キャンプ協会の濱野様によるロープワークやブルーシートシェルターづくり、アウトドアベースSUNPOの積田様によるたき火づくりがあり、当研究所はポリ袋炊飯を担当しました。
 ポリ袋炊飯は飲める水が少ない中でいかに効率よく水を使うかが問題になる時に非常に役に立つ技術です。
 参加者の皆さんもスタッフも一緒になってわいわいとご飯を準備し、たき火でお湯の沸いた飯ごうに仕掛けたご飯をいれて茹でること数十分。
 出来上がったご飯は全体に固めでしたが、皆様持参されたレトルトカレーをかけ、おいしそうに食べていました。
 午後からはモルック体験会。老若男女問わず誰でもできる簡単なスポーツであることから、被災地で運動不足になりがちな高齢者や子どもが一緒に楽しめます。
 今回もさまざまな人が一緒になってわいわいと盛り上がっていました。
 一度大きな災害が起きると、生活を復旧させるだけでも長期戦になります。
 その間、自分の健康を適切に維持できるような遊びやスポーツ、食事などを知ってもらい、災害に遭っても元気に過ごせるようにできるといいなと思います。
 主催のモルック浜田様、参加してくださった皆様に、こころからお礼申し上げます。
 ちなみに、浜田では次回11月19日に黒沢まちづくりセンターで当研究所主催で同じような親子防災ディキャンプを開催しますので、興味のある方はぜひご応募ください。ご応募をお待ちしております。

【活動報告】高津小学校防災クラブを開催しました

 2023年9月20日に益田市立高津小学校で防災クラブを開催しました。
 今回は前回に引き続き救急救命のやりかたです。前回は心肺蘇生法とAEDの使い方をやりましたが、今回は外傷の手当てと安全地帯への搬送法です。
 夏休みが間に入ったので、まずは地震が起きた時にどうするのかということについて、過去のクラブの内容を思い出しながら実際に警報音を出して行動してもらいました。
 全員が机の下に入ったのですが、小学生は体の大きさがまちまちで、机の下にきれいに潜ることができた子もいれば、身体の大部分がはみ出している子もいて、いざというときどうしようという意見が出ました。
 なぜ机の下に入るのかを考えてもらったら、全員が「落下物から身を守る」と答えてくれたので、実際に頭上を確認し、どんなものが落ちてきそうなのかを確認してみました。
 大切なことは、警報が鳴ったら、すぐに頭の上や周りから落ちてきたり倒れてくるものがないかの確認をすること、そして、落下物から身を守るためには、とにかく頭を優先して守ることについて説明をしました。行動を教えることも大切ですが、なぜそうしなければいけないのかをしっかり理解してもらっておかないと、いざ地震のときには身を守れない行動につながってしまいますので、その行動を取る理由について、しっかりと考えてもらえたと思います。
 その後は、外傷の手当て。大地震が発生して大規模な被害が出ると、病院が非常時状態に入ることや、トリアージについて説明し、軽いけがは自分たちで応急処置することで悪化を防ぎ、結果的に助かる人が増えるということをお話しました。その後、二人一組で実際に圧迫止血法から包帯による固定までをやり、普段使ったことのない包帯に悪戦苦闘しながらも、なんとか無事に止めていました。
 それから、安全地帯への搬送ということで二人一組でやってみたのですが、これが案外と難しかったようで、あちこちでどうやると運びやすいかについて話し合っていたようです。
 最後は担架による搬送ということで、実際に学校に備えられている担架を使って搬送をしてみました。
 子どもたちからの要望で2回やってみたのですが、2回目の患者役が担架の上でじっとしていなかったことから危険と判断し、搬送を中止してスタッフがそれを引き取りました。
 参加した子供たちからは「担架に乗っている人が動くと運ぶのが難しい」という話から、「ケガで痛くて暴れる人をはこぶのは難しそう」「やってみないとわからない」といった意見を出してもらいました。
 時間いっぱいまでしっかりといろいろな体験をしてもらいましたが、本番時にケガをしたり、ケガしている人を見かけたら、今回のような技術を使ってうまく助かってほしいなと思います。
 今回参加してくれた子ども達、そして担当の先生、いつも手伝ってくれているスタッフに、こころから感謝します。

【活動報告】ポリ袋クッキング体験会を開催しました

 去る8月20日に津和野町町民センターで津和野町女性消防団の皆様と災害時に備えたポリ袋クッキング体験会を開催しました。
 災害後に足りなくなるものの一つに清水があります。ポリ袋クッキングは、少量の清水で洗い物をなるべく出さずにおいしく調理する技術ですが、普段の調理法とちょっと異なるコツが必要となります。
 今回は、ハイゼックス炊飯袋を使ったご飯炊き、ホットケーキミックスを使った茹でパン作り、茹で卵焼き、そしておまけで水戻しパスタをやってみました。
 参加された皆様は、段取りを理解されたら、手際よく次々と調理をすすめてくださり、和気あいあいとした空気の中で調理ができました。


 完成した後、レトルトカレーをご飯にかけて実食となりましたが、思ったよりも良い出来だったようでした。
 一番受けがよかったのが、おまけの水戻しパスタで、普段使いでガス代の節約になるのではないかというお話と、レトルトカレーとの相性が抜群によかったという新しい発見もあったようです。
 ポリ袋にも種類があり、こういった調理に使えるものと使えないものがあるのですが、今回はその違いも含めてしっかりと覚えていただき、普段の調理でも登場するのかなという雰囲気のかたもいらっしゃいました。
 知っていることと、やってみたことは同じようでかなり違い、実際にやってみると結構いろいろなことに気が付くみたいです。
当研究所の研修会では、こういった災害時の調理法などの講習会もやっていますので、興味のある方はお問い合わせください。
今回お声がけいただきました津和野町女性消防団の皆様に、厚くお礼申し上げます。

台風前に気を付けておくこと

 台風6号が迷走しながら北上しています。
 日々予報が変わっていますので、この先どうなるのか、非常に見通しが見えづらいのですが、台風のように風雨、特に風が強い災害では、いかに物が飛ばされないかという準備が必要になります。
 屋根の修繕や雨どいの修理、家の周りの片づけはよく言われるところですが、テレビアンテナの点検と物干しざおとゴミ箱の片づけを忘れないようにしておいてください。
 強風になると、老朽化したテレビアンテナは簡単に壊れたり折れたり飛んだりします。また、細いから大丈夫と思って物干しざおを物干し台に載せたままにしておくと、高確率で飛んで行って窓ガラスを突き破ったりしますので、物干し台からおろして床に置くようにしてください。そしてゴミ箱は、なぜかお片付けを忘れる代表になっており、大風の後はあちこちで飛ばされてひっくり返っているのを見ます。
 ともあれ、台風は来るのが予測できますから、来襲前に点検したり片付けをしておくことで、壊れたり飛ばされたりすることを簡単に防ぐことができます。
 来襲前の天気の良い間に、しっかりと点検をしておくようにしてください。

【活動報告】「初めての防災キャンプ」を開催しました。

 去る2023年7月22日から23日にかけて、益田市大草町の北仙道公民館において、「初めての防災キャンプ」を開催しました。
 今回は13名の子ども達が参加してくれて、初めての子、2回目の子、何度も参加している子が入り混じって1泊2日、さまざまな体験をしました。
 初日は地震が来たことを想定した「地震が来たぞ!」ゲームをした後、冷たいコンビニおむすびとお湯のついていないカップ麺を受けとって、どうやっておいしく食べるかについて考えてもらい、そのまま昼食にしてもらいました。


 午後からは、定番の段ボールシェルターづくり、消火器体験&水害時の避難訓練、そしてたき火づくりからご飯炊き、おかず作りと、暑い中、ゆったりとしたペースで体験を進めました。


 夕食をしっかりと食べた後は、差し入れてもらった花火で遊び、公民館の建物をみんなで懐中電灯だけで歩く暗闇体験、そして汗をかいたので、衛生管理ということで水のいらないボディーソープとシャンプーを体験してもらい、最後はカードゲームや世間話をしながら就寝となりました。
 ただ、昼間の熱気のこもる体育館は暑くて、寝られない子が続出。最終的にスポットエアコンと扇風機で涼を取りながらの睡眠となったのですが、夜明け前にはかなり冷え込んで、今度は寒さで目が覚めて、元居た場所に戻ったりしていました。
 翌日は6時過ぎに起床し、段ボールシェルターを片付けてからラジオ体操、そしてぐるぐるパン作りをしました。
 パンを発酵させている間に、前日できなかった自然観察会も実施し、朝の涼しい空気の中で周囲の山野草観察を行いました。


 また、山野草観察に行かない子たちは再びたき火づくりに挑戦。今度は上手に火を起こすことができ、ぐるぐるパンも上手に焼けました。
 まったりとした朝ご飯の後は、地元のアウトドアショップ「アウトドアベースSUNPO」の店長である積田さんにタープ張を教えてもらい、初歩的なブルーシートシェルターの作り方を学んでいました。


 それから益田市消防団第9分団の皆様に、消防団の説明、装備見学や放水訓練をさせてもらい、スタッフが作った炊き出しカレーを食べて、体育館を片付け、今回のイベントは終了しました。
 今回のイベントは、初めてコロナウイルス感染症の規制のない状態で開催ができ、講師を始め、ボランティアでもさまざまな方にご支援いただき、今までで一番さまざまなことが学べた防災キャンプだったのではないかと思います。
 ダンボールを提供してくださった地元の文具店「たちばな」様、お野菜の提供をしてくださった「大和屋」様、「シーバ」様。研修講師を快く引き受けてくださったアウトドアベースSUNPOの積田様、益田市消防団第9分団の皆様、いつも会場を快くお貸しいただいている北仙道公民館の皆様。差し入れをくださった皆様、さまざまな形でご支援いただいたボランティアスタッフの皆様、この防災キャンプに参加することを許可してくださった参加者の保護者の皆様、そして参加してくれた皆様にこころから感謝します。
 なお、次回は11月4日から5日に今回と同じ北仙道公民館にて初めての防災キャンプを計画しています。
 もし興味のある方がおられたら、日程を空けておいていただけるとうれしいです。

【お知らせ】安全講習会を開催しました

 2023年7月19日、浜田市三隅町の黒沢公民館で、イベント運営及び水難事故防止のための安全講習会を開催しました。
 この講習会は今年の8月11日に4年ぶりに開催されるかっぱランド夏祭りを運営する黒沢まちづくり委員会様から、久しぶりにイベントを開催することから、改めて事故防止のために必要なことを知りたいというご依頼で開催したものです。
 当日は30名近くの方にご参加いただき、30分に渡ってイベント運営と水難事故防止に必要な注意点について説明をさせていただきましたが、どなたも真剣な表情で聞いて下さり、その後に開催されたイベント運営のための各部会でも、講習の内容を反映したお話をしていただいたようです。
 実際にイベントを行う前に会場や川の安全点検や監視体制、人員配置などもされているし、過去に起きたさまざまな出来事とその対応の蓄積もきちんとされているのですが、今回、それを理屈づけたことでいろいろと納得がいったというありがたいお話もいただきました。
 今年は新型コロナウイルス感染症による規制がない夏となり、あちこちで過去に開催されていたイベントが一斉に再開されています。
 ただ、お休みしていた期間があれば、当然さまざまなことが忘れられていたり、できなくなっていたりすることもあると思いますので、こういった講習会で過去にやっていたさまざまな出来事や体験、経験を思い出していただき、本番で事故が起きないような体制はとれるはずです。
 過去からの経験値だけでなく、一般的な注意点をもう一度確認していただき、参加者が楽しめる思い出作りができる場所を作っていただければと思います。
 なお、このかっぱランド夏祭りは8月11日に浜田市三隅町下古和にある黒沢公民館を中心に開催されます。
 家族連れでも楽しめるイベントを、地元のおじちゃんおばちゃんがいろいろと準備してくれていますので、お時間のとれる方はぜひ覗いてみてください。
 また、お手伝いスタッフも募集されていますので、興味のある方は一緒に活動していただければと思います。
 このたびお声がけいただきました黒沢公民館の齋藤館長様はじめ、黒沢まちづくり委員会の皆様に感謝いたします。

いいね。黒沢(黒沢公民館のFacebookに移動します)

【かっぱランド夏祭り】川遊び・見守りお手伝いの募集‼(ふるさと島根定住財団のウェブサイト「しまっち!」に移動します)

川を見に行く危険と田畑を見に行く危険の違い

 大雨や洪水の時には川や田畑を見に行くと危険なので近づくなと言われています。
 ただ、川を見に行くのが危険な理由と、田畑を見に行くのが危険な理由が違っていることをご存じですか。
 増水した川を見に行くのが危険な理由は、あふれた水に足をとられて水に流されたり、誤って川に落ちたりするからです。
 では、田畑はなぜ危険なのかといえば、誤って水に浸かった田畑に落ちることはありますが、それよりも状況を見て「何とかしなければ」と動いてしまうことによって、川の時よりも高確率で足を滑らせたり、流されたりしてしまうからです。
 水に浸かった田畑は対応のしようがないのですが、それでも何かはできるのではないかとあがこうとした結果、水路にはまっておぼれたり流されたりしてしまうのです。
 川は直接の利害関係がないのでそこまで何かしようとは思わないでしょうが、田畑は自分の生活がかかっていますので見てしまうと何か手を打てないかと焦ってしまいます。
 川を見に行くよりも、田畑を見に行く方がより危険だということがイメージ的にわかっていただけるのではないでしょうか。
 水が出るところへは近づかないことが基本ですが、川よりも田畑を見に行く方がより危険だということを、覚えておいてほしいと思います。

「避難生活&住宅再建ガイドブック」のご案内

ここ最近の大雨では多くの方が住んでいる家屋への被害を受けています。
復旧や復興支援についてはさまざまなウェブサイトでいろいろな紹介がされているので細かい部分はそれぞれご確認いただきたいのですが、避難所生活と自宅の再建についての流れをわかりやすくまとめた「避難生活&住宅再建ガイドブック」がNHKから出されましたので、そのご案内をします。
被災すると、避難所生活と自宅の復旧を行うことも多いのですが、それぞれの注意点がわかりやすくまとめられていて、被災者でなくても参考になると思います。
いざというときには、どこでどのような手続きをすればいいのかや、何を優先すればいいのか、どんなことに気をつければいいのかがなかなかわかりにくいものです。
こういった冊子を利用すれば、とりあえずの優先順位や注意点はまとめられていますので、手落ちなく復旧に進むことができると思いますので、興味のある方は一度ご確認ください。

被災した時これだけは知ってほしい 「避難生活&住宅再建ガイドブック」(NHKのウェブサイトへ移動します)

水に浸かるところ、浸からないところ

 大雨が降るたびに冠水したという話が出ますが、どんな雨であれ、冠水する場所の順番はおおよそ決まっています。
 そして、そこが冠水しているのにさらに雨が降り続けているようなら、その冠水している場所が広がってきますので、どういった対応をしなければいけないのかが予測できると思います。
 水の性質として「高いところから低いところへ流れる」と「水は昔の流れを覚えている」というものがありますから、高手にいる人よりは低地にいる人が、山の上に住んでいる人よりは谷筋や平野部に住んでいる人が、雨には敏感にならないといけないわけです。
 地形を見ると、ある程度水に浸かりそうな場所や危険な場所は予測ができます。
 そして、ここ最近の大雨を考えれば、最初に水に浸かるところ、その次に・・・、といった感じで水の動きも読めると思います。
 それが理解できれば、どのタイミングで避難しなければ逃げられなくなるのか、また、雨が止んでからどれくらいで水が引くのかの予測ができます。
 これがわかると、自分が行動すべきタイミングを決めることができます。
 自分の安全管理がより確実にできるようになるということです。
 大雨はどこに住んでいても体験することは確実ですので、ハザードマップや地形図、古地図、そしてちょっとした雨の様子を見ながら、自分にとって安全を確保するための行動をしっかりと決めておいてください。

雨と避難

 大雨が降っているときに危険だから避難しようと考えるのは非常に大切だと思います。ただ、タイミングを間違えると避難している最中に遭難することになってしまうので、避難をするときには十分注意してください。
 水が溢れだして水没が始まった状態になったら、避難はかなり危険だと考えてください。その場合には、上層階への垂直避難を行います。
 ただ、低地にお住いの場合には家がきれいに水没してしまう可能性もありますので、そういった地域にお住いの場合には、他の人よりも気象情報や気象レーダーなどに注意を払っておく必要があります。
 雨だけなら、家の中にいれば問題なくしのげますが、大雨になって水が出たときに危険になります。
 お住いの地域の事情に応じて、避難が必要な場所の場合には近くでどういったことが起きたら避難を開始するのかのトリガーを、普段から観察して決めておくようにしてください。
 また、夜間の避難は相当危険ですので、夜に大雨の予報が出ている場合には、早めに高台に避難することを考えてください。