安否の確認方法を決めておく

公衆電話は災害時優先電話のため、つながる可能性は他の電話よりも高い。ただ、公衆電話を見つけるのが今の時代では困難になっている。

 地域の避難訓練のようにいつも家族単位でまとまって避難ができればいいのですが、実際に災害が発生するときには、家族の全員が揃っていてすぐに安否確認ができるという状況はあまりないと思います。
 家族の誰かが欠けている状態、へたすると自分一人で自分の安全確保をすることになるのですが、自分が安全だと分かった後、家族の安否についてどのように確認するのか、あなたは決めていますか。
 確認の方法はさまざまですが、電話やメール、ショートメールサービスやFacebookやLINEといったソーシャルネットワーキングサービスなどが代表的なものになると思います。
 確認方法はいくらあってもいいので、さまざまな手段を確保しておけばそれだけ安全度は上がりますが、発信する時間については少しだけ注意が必要です。
 というのも、大規模災害になると発災からしばらくの間は通信制限がかかってうまく連絡が取れなくなる可能性があるから。
 東日本大震災や熊本地震ではソーシャルネットワーキングサービスは比較的つながりやすかったという話が出ていますが、人口密集地では、パケット通信も飽和状態になる可能性が高いため、時間がかかるか、または発信できないという事態も想定できます。
通信規制がされている状態でいくら発信しようとしてもうまく行かない確率が高いですし、どうかすると電池ばかり消耗してしまうという結果になってしまいます。
 そこで、お勧めするのは発信する間隔をある程度空けてみること。
 30分に1回とか、1時間に1回に発信を制限することで、電池の消耗を押さえることができます。もし家族同士でやりとりをしようと考えるのであれば、とりあえず時間を決めておくとうまくつながる確率が上がるかもしれません。
 基本的には、通信環境がおかしなときには送受信時以外は電源そのものを切っておくこと。そうすることで電池の消耗をある程度までは押さえることができます。通信環境が悪い状態で普段の同じようなスリープ状態にしてしまうと、基地局の電波を常に探している状態になるため、電池が馬鹿みたいに消耗することを覚えておいてください。
 通信環境がまともなのが一番ではあるのですが、停電などで電源供給が停止すると、半日から1日程度で基地局が機能しなくなって携帯電話もパケット通信もつながらなくなります。
 停電状態で途中で通信環境がおかしくなった場合には、基地局の停止を疑うといいと思います。この場合にも携帯電話やスマートフォンは電源をオフにしておくことです。
家族の安否は、複数の通信手段で確認するようにし、合流する場所や時間も決めておくと、出会える確率はかなり高くなります。
 誰かの安否がわからないのは非常に不安なものですし、それが家族であればなおさらだと思います。家族や親しい人達の間で確認手段をしっかりと持って、早く安心ができるようにしておきたいものですね。

洪水と移動とリスクコントロール

 島根県東部を中心として大雨が降ったようで、被害に遭われた方にこころからお見舞い申し上げます。
 また、避難されている方が安心して一夜を過ごせますように願っております。
 さて、今回の大雨の中継を見ていて気になったことが一つ。
 それは、不用意に水の中を移動する人がかなりいたということです。
 車や人があまり考えなしに水の中を移動する映像を見て、「大丈夫かな?」と他人事ながら気になりました。交通規制していなければ安全というわけではないのですが、規制されていなければ移動するのでしょう。水没した道路を車輪半分が水に浸かった自転車が移動していく映像がありました。
 また、高校生の通学(?)の中継では、短パンで膝まで水に浸かった高校生達が手に靴を持って歩いている様子が映し出され、コメントを求められたら「水の下に何があるのかわからない恐怖がすごくて」というようなことを話していました。
 もしこの映像が映像資料ではなく、本気でこんな行動をしていたのだとすると、リスクマネジメントやリスクコントロールは大丈夫かと思ってしまいます。
 溢れた泥水には破傷風菌などがしっかり泳いでいますから、怪我をしていたら破傷風や化膿する危険性があります。
 また、短パンと言うことは素足が出ているわけですから、水中を何かが流れていたり、ひっかかったりすれば当たって怪我をする可能性があります。
 さらには、靴を履かずに靴下で移動しているとしたら、足の裏をいつ怪我してもおかしくないという状況になっています。
 水没した状態で通学をさせる学校、水没した道を無防備に歩く高校生。
 雨が止んでいるうちに移動させたいという学校の気持ちはわかりますし、学校に留め置いた結果何かトラブルが起きたら困るというのもわかります。
 学生にしても、通学しろと言われたので移動するのでしょうし、服が濡れるのが嫌だというのも、靴を濡らしたら嫌だというのもわかります。
 でも、たまたま水に流れが無く、たまたま足下が安全で、たまたま無事に泥水を越えることができただけで、何か一つ狂ったらけが人、あるいは死者が出てしまうこともあり得ます。
 学校としてのリスクマネジメント、そして学生達のリスクコントロール。
 これから災害が増えることはあっても減ることはないと思いますので、一度きちんと考えてみる必要があるのではないかと思います。

参考映像「また大雨に…山陰各地で冠水 雲南市と飯南町では一時警戒レベル5「緊急安全確保」発令
(YouTubeの「ちゃんねるテレポート山陰」に移動します)

快適性と携行性

非常用持ち出し袋は作ったら一回背負って避難所まで歩いてみるといろんなことがわかる。

 ある程度大きな災害になってくると、避難先で過ごす時間が非常に長くなってきますから、なるべく快適な環境を作り上げて、少しでも心身にかかるストレスや負担を減らす必要があります。
 ただ、避難先まで持って移動することを考えると、できる限り軽量で小さくなっているほど持ち歩きがしやすくて助かります。でも、軽量で小さいものは使いにくいですし、それなりに使い勝手のいいものはお値段も高いです。
 非常用持ち出し袋はこの狭間を悩みながら作り上げていくことになります。
 普段から旅行や登山などをしている人であれば、それなりに荷物を小さくする技術を持っていると思いますが、そうでない人は、考えているものを一度使ってみるといいと思います。
 具体的には、非常用持ち出し袋の中の生活アイテムはキャンプ場などで借りることができますのから、そういったところで一度借りてみて試してみてください。
 また、何を重視するのかを考えて、一点豪華主義で準備する方法もあります。
 例えば、寝るための装備として考えてみます。
 必要なのは、とりあえず敷き布団と掛け布団と枕。
 敷き布団と枕についてはエアマットと旅行用空気枕を使い、掛け布団を封筒型寝袋にするとかなり快適な寝床ができあがります。
 これに耳栓やアイマスクを準備しておくと、ある程度快眠が確保できるのではないでしょうか。
 また、食事が重要だという人は、カセットコンロと鍋、それに缶詰などのアイテムを充実させておくと快適に過ごすことができます。
 カセットコンロはさまざまな種類があって、大きいものから小さいもの、カセットガスやOD缶とガスの種類もいろいろとあります。
 あなたが避難先でどれくらい普段と変わらない食事を作るかで、そのサイズや内容を変化させればいいと考えます。
 最近では百円均一でさまざまな道具が揃いますが、実際に使ってみると、使い心地が微妙なものもありますので、買ったらとりあえず使ってみて、あなたの生活にあっているかどうかを考えてみてください。
 もし合わないようであれば、合うものをいろいろと探してみることを勧めます。
 最後に、案外と見落とされがちなのがコップ。
 水は大きなペットボトルや給水袋で支給されますので、そのままで飲むことはかなり難しいですからマイカップは忘れないようにしたいですね。
 せっかく準備するのなら、壊れにくくて使いやすいものを探してみても楽しいのではないでしょうか。

洪水時の避難レベルと避難方法

 水害では避難レベルによって避難行動が変わってきます。
 今更ながらではありますが、今回は避難レベルと避難方法の確認をしてみたいと思いますので、おさらいという意味でご確認いただければと思います。

・レベル1

 災害の危険性があるかもしれないという状況なので、いつもよりも情報をこまめに集めるようにします。


・レベル2

 災害が発生するかもしれません。非常用持ち出し袋の中身の確認や買い足し、備蓄の確認などを行っておきましょう。
 天気がまだ安定している状態なら、一度避難先までの道順を確認してもいいと思います。

 レベル1、2については通常「レベル」という呼び方はされません。
 内閣府防災が定義しているのは気象庁が出す情報でレベル1を早期注意情報、レベル2を大雨・洪水・高潮注意報としていますが、避難準備する側としては、レベル1で注意報、レベル2で警報のイメージで捉えてもらえばいいと思います。

・レベル3 高齢者等避難

 高齢者や身体の不自由な人を始め、避難準備ができた人からあらかじめ決めている避難先に避難を開始します。
 基本は水平避難で、危険区域からあらかじめ決めていた避難先への避難となります。

・レベル4 避難指示

 災害の恐れが高くなっているので、危険地域に住んでいる人は可能な限り早く避難を開始します。
 場所によっては内水氾濫や堤防越水が起きていることもありますので、状況を見て避難先に逃げるか、近所の高い建物に避難するか、あるいは自宅で二階以上に避難するかを判断してください。

・レベル5 緊急安全確保

 これが発令されると、基本的に地域のどこかで災害が発生したと考えてください。
 洪水の場合は、避難所に避難するのは止めて自宅のなるべく高い場所へ移動し、あとは運を天に任せます。

 ポスターなどではレベル4で浸水の可能性のある地域の人は全員避難するように書かれてはいますが、できればレベル3発令後は避難準備のできた人からすぐに避難開始することをお勧めします。
 そして、避難先は複数考えておいて、一つの避難先に入れなくても他の避難先に入れるように考えておいてください。
 あなたの命を守るのはあなたです。
 自治体の避難情報がなかったとしても、身の危険を感じたら、可能な限り早く安全確保をするようにしてくださいね。

逃げる判断は誰がする?

 熱海ではひどい土砂災害が起きてしまったようで、被災された方へ心からのお見舞いと、行方不明の方の一刻も早い発見を願っています。

 さて、現在梅雨前線が活発化していてどこで大雨が降ってもおかしくない状況ですが、避難すべきかどうか、そして避難先や非常用持ち出し袋の準備は万全ですか。
 災害時に避難するかどうかの判断は、自治体がするわけではありません。
 災害時にいつ避難開始をするのかや、いつまで避難を続けるのかといったあなたが身を守る行動というのは、自治体ではなくあなた自身が判断すべきことです。
 ではなぜ自治体が避難情報を発するのかというと、内閣府防災が「避難情報に関するガイドライン」の中で「市町村長は、災害時には関係機関からの情報や、自ら収集した情報等により、的確に判断を行い、躊躇することなく避難情報を発令し、速やかに居住者等に伝えなければならない」と定められており、災害時には居住者等の主体的な避難行動を支援する情報を提供する責務を有するため、避難情報を出しているのです。
 つまり、その地域に危険が迫っているということはこの避難情報でわかりますが、いまあなたのいる場所がどうなのかということは考えられていないのです。
 今回の熱海では、警戒レベル3で大規模な土砂災害が発生したそうですが、それにより、恐らくまた自治体がマスメディアなどから責められることになるのではないかと思っています。
 実際のところ、現在の自治体は、どこも人不足、経験不足で災害に対する的確な判断ができるとはとても言えない状況です。
 一例を挙げるなら、災害時には、一般住民を始めマスメディアや国、その他さまざまなところから現在の状況についての問い合わせがきて、その電話対応に追われて現地の状況把握や対応ができなくなります。
 これは自治体職員を削減して非常時対応能力を低下させた結果であり、仕方の無いことではあるのですが、自分で避難の判断ができない人達や自分では何もせずに助けて欲しいという人達がいかに多いかが問題を悪化させているような気がします。
 くどいようですが、逃げる判断はあなた自身があなたのために行うあなたの命を守る行為です。
 自治体が判断している基本情報は、現在ほとんどインターネットで公開されていて、誰でも見ることができるようになっています。
 つまり、それらの情報を自分で読みに行って考えれば、避難情報があろうがなかろうが逃げるかどうかの判断はできるはずなのです。
 あなたの命を守るために、少なくとも避難開始のタイミングだけは決めておいてくださいね。

被災地支援の時のお願い

 災害が発生したというと、担当の自治体はさまざまな対応に追われるわけですが、その中でどうにもやるせなくなる対応があります。
 それは「被災地支援をしたい」という被災地以外からの問い合わせが異常に多くなること。団体や組織だけではなく、個人からの問い合わせもたくさん来ます。
 「支援物資を送る先を教えて欲しい」や「○○できるから現地との調整をしてほしい」など、さまざまな内容なのですが、ここで感覚の違いというのが出てきます。
 というのも、被災地ではまだ災害対応の真っ最中であることが非常に多いからです。
 救助、救命、道路開削、補給路確保、被災者対応など、災害の緊急対応は災害が収まってからが勝負です。
 マスメディアによる災害報道では、「災害が起きた」という過去形で報道されますが、被災している地域では、災害はまだ現在進行形。
 消防、警察、自衛隊、自治体、そして災害対応のプロ達がそれぞれの分野でその能力の全てを使って災害を終わらせようとしています。
 そんな状況で災害ボランティアや被災地支援の話をされても、まだ誰も対応ができませんし、へたすると邪魔にさえなってしまいます。
 せっかくの善意の申し出が、現地の救助や安全確保の妨げになってしまうことは、だれも望んでいないことではないでしょうか。
 繰り返しになりますが、被災地外から見ると災害は「起きたこと」という過去かもしれませんが、被災地ではまだ災害は現在進行形で「起きていること」なのです。
 とりあえず、現地が落ち着いて救助や安全確保が終わるまでは災害ボランティアや被災地支援の出番はありません。
 逆に言えば、現地が落ち着いてからが災害ボランティアや被災地支援の出番なのです。目安は、現地に災害ボランティアセンターが設立されたかどうか。
 発災後、およそ4日目から1週間くらいあとからが、災害ボランティアの出番だと考えて、それまでは現地への問い合わせも止めて、準備だけを進めておいてください。
 被災地復旧の主戦力は災害ボランティアですから、プロの仕事が終わった後で、思う存分復旧・復興の被災地支援をしてほしいなと思います。

ハザードマップ、確認してますか

 梅雨前線が本州にかかってきて、静岡県の方では土砂災害が出ています。
 新しく変わった避難レベル5も発令されたようで、梅雨前線の予想を見るとまだまだ余談を許さない状況です。
 ところで、お住まいの場所のハザードマップを今一度しっかりと確認して避難の必要があるかどうか、そして避難する場合にはどのような経路をたどって安全に避難をするかについて確認をお願いします。
 沖縄が梅雨明けしたということは、太平洋高気圧の勢力が強くなっていると言うことなのですが、そうなると梅雨前線は押し上げられて本州の上に来ます。
 向こう72時間の予想天気図を確認する限り、梅雨前線は北上・南下を繰り返す状況のようですから、しばらく雨は続きそうです。
 降る量は少なくても、時間が長くなると山が揺るんで土砂災害が起きる可能性は高くなります。
 また、線上降水帯が発生すると大雨が降り続くような状態になります。
 普段と様子が違うと感じたり、何かおかしいと感じたら、早めの避難をするようにしてください。
 また、避難に備えて非常用持ち出し袋の中身の確認も忘れないようにやっておきましょう。

大水のときの対処法

 大水が出るときには、基本的にその場所、あるいはその上流部で大雨が降ることが前提となります。ただ、大雨とはいっても、家の窓から見ているだけならそこまで危険は感じないかもしれません。
 安全な場所にいる場合にはそれでいいのですが、そうでない場所に住んでいる人やそういった場所にいる人は、普段から意識を高めて予防策を打っておくことが大切です。 

 安全かそうでないのかを知るためには、まず住んでいる環境が大雨で避難をしなければいけない環境なのかを確認し、意識しておくこと。
 土砂災害特別警戒区域や土砂災害警戒区域に入っている場合には、早めの避難をする必要がありますから、天気が怪しいなと感じたら天気予報や雨雲レーダーなどを確認し、大雨が降りそうな感じであれば早めに安全な場所に避難することです。
 また、洪水はその地域では雨が降らなくても流域全体での降水量が多ければ、晴れていても氾濫を起こしてしまうようなことがあります。
 川遊びや川のそばで何かしようとするときには、天気予報や雨雲レーダーだけでは無く、管理者が発表している河川情報にも目を光らせておく必要があります。
 あと、過去に地域で起きた洪水で被災しやすい場所を確認しておくことがとても大切です。それから排水路、河床、谷筋など、水の道ができやすい場所や地域内での標高が低い場所も要注意です。

 では避難が必要な場合にはどうすればいいのか。
 大雨や洪水という文字が気象予報に登場してきたら、すぐに高台に上がって降っている雨水が止んで状況が落ち着くまで様子を見ることが重要です。
 また、路上に溢れ出す水が見えたら、そこは可能な限り通らずに迂回して安全・確実性を確保して下さい。
 路上の水に流れがあって、水深がわずか数cmでも、足を取られてひっくり返される危険性があります。
 ひっくり返ってしまったら、骨が折れたり頭を打ってしまったりしてしまいますし、どうかするとそのままより深く早い水の流れに巻かれてしまうことになるかもしれません。
 水がくるぶしより深ければ危険だと考えて下さい。特に、視界が悪くなる夜間は危険になります。
 どうしても水の中を歩かなくてはならない場合は、可能な限り浅くてできる限り水が流れていない場所を探し、頑丈な棒を使って水の深さと水の下の地面の硬さを突っついて確認しながら歩くようにします。
 このときに使う棒は水の中や下を探るための道具ですので、杖のように体重をかけてはいけません
 また、子どもを連れているときには、できるかぎり持ち上げて流されないように運んで下さい。
 たまに見かけるのですが、水の中の避難時にお互いの身体を結ぶという記事があります。これは誰か一人が転ぶと全員巻き添えになって非常に危険ですから絶対にやらないようにしてください。
 また、濡れた状態で電気機器に触れたり、電気器具の近くを通らないように気をつけてください。水に濡れたり、足を水につけている状態で電気器具に接触すると感電する危険があります。
 もしも大雨や洪水で家から避難するときには、必ずブレーカーを切ってから避難するようにしましょう。

 ちなみに、突然大水に襲われた場合には、どこでもいいので少しでも高いところに避難します。それが無理であれば、できるだけ早く丈夫なものをつかんでください。
 万が一水に流されたら、大の字になって仰向けに浮かぶようにし、大きながれきや破片が自分に向かってきたら手で押しのけてください。
 また、障害物は必ず上を越えること。下をくぐろうとすると溺れる危険性があります。
 流されていくなかで、もしうまく何かを掴むことができたら、しっかりとそれを手で保持し、足を下流に向けて救助を求めます。
 ホイッスルがあれば無理をせずに存在を教えることができますが、ない場合には声や手の動きなど、誰かに見つけてもらえるようにできうる手段をとってください。
 ここまで読んでいただいて分かると思いますが、早く避難すれば濡れなくても済み、危険な目にも遭いません。
 命を確実に守るためには、空振り上等での毎回の確実な避難が第一だと覚えておいてくださいね。

災害ボランティア登録のすすめ

 被災地の復旧の重要な戦力として災害ボランティアがあります。
 ここのところ毎年大規模災害が起きているのですっかりお馴染みになりましたが、いつどこでどんな形でどんな人を募集しているのかという情報は、調べてみても意外とわからないことも多いです。
 ところで、島根県社会福祉協議会様に「災害ボランティアバンク」というのがあって、ここに登録しておくと被災地で災害ボランティアが必要になったとき、さまざまな情報が提供されます。
 災害ボランティアセンターはその地域の社会福祉協議会が中心となって立ち上げることになっている場合が多く、その流れで災害ボランティアについての情報もそちらから受け取ることができるようになっているのです。
 特に、昨今新型コロナウイルス感染症の流行で、どんな状況でどんな人であれば災害ボランティアとして現地入りできるのかといった情報も、災害ボランティアバンクから提供されますので、登録していて損は無いと思います。
 災害ボランティアにはさまざまなものがあり、その全てが災害ボランティアセンターを通すわけではありませんが、個人や団体で安全・安心に災害ボランティア活動をするための手立ての一つとして、島根県内で興味のある方は登録してみてはいかがでしょうか。
 災害ボランティアバンクの詳しい内容については、以下のリンク先をご確認下さい。

島根県災害ボランティアバンク」 (島根いきいき広場のウェブページに移動します)

 ちなみに、当団体も先日団体登録を済ませ、有事には会員を派遣できる体制を整えつつあります。
 いざというときでなくても、災害対策について、そして復旧支援について、勉強しておきたいですね。

医療と薬

 災害が起きたときに、どうかすると医療行為が止まってしまうことがあります。
 現在の医療行為はさまざまな場面で機械が無いとどうにもならなくなっているので、災害用の発電機が設置されてはいるのですが、災害の種類によってはその発電機が使えなくなることがあります。
 そうなると、医療機械だけでは無くて手続きや電子カルテに至るまで全てが止まってしまい、まともな診療ができなくなります。
 でも、例えば透析が必要な方などは待ってくれとなると生死の問題になります。
 そう言った場合には被災地以外の場所へ広域移動してもらって医療行為を受けてもらうのが現実的なやり方でしょう。
 被災した医療システムを復旧しようとしても、とても数日間で何とかなるものではありませんから、医療機器を使わないと命の危険がある方のために、医療機関は広域で連携しておいた方がいいと考えます。
 また、避難所での生活になったとき、医療体制が安定するまでの間は診察も検査も投薬もしてはもらえません。
 そのため、持病を持っている人は自分の薬をある程度非常用持ち出し袋に入れて置く必要があります。
 1週間から10日分くらいは予備があると安心です。
 かかりつけのお医者様に相談すれば、そう言った配慮をしてもらえることがありますので、ないと命にかかわるような薬を飲んでいる人は、事前に準備しておいた方がいいと思います。
 その上で、お薬手帳があれば、万が一かかりつけの医師や薬剤師との連絡が取れなかったとしても、そのお薬手帳に書かれている薬を見ることで、あなたを診てくれる医師や薬剤師はどのような症状でどのように薬を使っていたのかが分かって事故を防ぐことができます。
 生命に関するような医療行為や薬は、災害に対していくつも対策をしておいて無駄にはなりません。
 自分だけで対策をするのは難しいかもしれませんが、できる手を考えて打っておくことをお勧めします。