災害時、あなたはどのように情報を入手する手段を用意していますか。
メール、アプリ、電話、防災行政無線など、いろいろな手段があると思いますが、できれば複数の手段を準備しておくようにしてください。
特に防災行政無線に頼っている場合には、手元に情報が届かない恐れがあります。
例えば、屋外の放送は雨音や風の音などで聞こえないことが多いですし、家屋ごとに受信機がある場合でも停電したり、本体の電池が切れていたりすると受信ができません。
メールやアプリによる配信を確認できればいいのですが、人によっては携帯電話が無い方や、やり方がわからないという方もおられるのではないでしょうか。
電話というのは割と確実なのですが、いざというときに電話してくれる相手を事前に見つけておかないと、そもそも電話がかかりません。
お隣や近所と顔見知りであれば、そちらに頼んでおくのも手だと思います。
災害時に自分が安全に生き残るための情報の入手方法は、平時に自分が準備しておかなければなりません。
自分にどのような情報入手方法があっているのかを考えて、いざというときにきちんと手元の情報が来るように、今から準備しておくことをお勧めします。
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自分専用の道具を優先的に準備する
災害時に持ち出す非常用持ち出し袋の準備はお済みですか。
明日からは新しい年度に入りますので、引っ越しをしたり、生活環境が変わる方は、ハザードマップや周辺環境、避難や避難後の生活に必要なアイテム類の準備や確認をしておくことをお勧めします。
さて、災害後の対策で優先的に準備するものとしては、一番最初はトイレです。さまざまなトイレがありますが、あなたは準備したトイレを使うことができますか。
二番目は水です。災害発生後には断水することが多いので、飲料水の準備はもちろん、生活に使うための水も準備しておきましょう。
では、その次に準備すべきものはなんでしょうか。
これはあなたが普段の生活で必要としているが、他の人にとってはそこまで重要では無い品物になります。
たとえば、眼鏡、老眼鏡、補聴器、杖、車いすなど、あなたが生活をするために必要な道具があるならば、それらの道具は優先して準備しておく必要があります。
災害時の緊急支援物資では、多くの人が必要とするものが最優先されるので、特定の人が必要となる道具は後回しになるか、もしくは配慮されません。
そのため、そういった道具が必要な人は自分であらかじめ準備しておく必要があるのです。
災害後に自分で情報を確認できなかったり、移動できなかったりするのは生活をするのに困ったことがたくさん発生する元になります。
非常用持ち出し袋には、そこまで見据えた道具を準備しておくことをお勧めします。
【お知らせ】「日本海南西部の海域活断層の長期評価」が公表されました
令和4年3月25日に地震調査研究推進本部(地震本部)が日本海南西部の海域活断層の長期評価を公表しました。
今回は実際に機材を使って調査した結果だそうですが、調査前の想定よりもずいぶんと活断層が多い感じがします。
島根県西部は今回の評価では南西部中部という位置で評価されていますが、1872年の浜田地震や1026年の万寿の大海嘯についても触れられています。
30年以内にM6.8程度の地震が起こる確率は6-9%となっていますが、0%では無いということで、いつ地震が起きてもおかしくない状況です。
充分な調査ができていないということで、評価も難しいようですが、沿岸部に住んでいる人は、地震と津波について対策をしておいたほうがよさそうです。
詳しくは地震本部のウェブサイトをご覧下さい。
日本海南西部の海域活断層の長期評価(地震本部のウェブサイトへ移動します)
どのような調査をしたのかに興味のある方はこちらもどうぞ
「日本海南西部の大地震 海域活断層対象の評価初公表 地震調査委」(NHKのウェブサイトへ移動します)
避難所の表示に注意しよう
災害が起きた、あるいは起きそうなときは近くの避難所へ避難するように、以前は誘導されていました。
密を防ぐ必要があるとされている新型コロナウイルス感染症が蔓延してからは、できるだけ安全なおうちでは在宅で過ごし、危険エリアなどに住んでいる人が避難所に避難するように変わってきていますが、災害時には「○○地区に避難勧告」といった風に安全かそうでないかを考えない状態で避難指示が出させることが多いです。
ところで、避難所にはそれぞれの災害に対応しているか否かがわかるようになっています。以前は「避難所は災害全てに対応」のようなイメージだったと思いますが、現在では「該当する災害に対応している避難所へ避難」となっていて、ハザードマップはもちろん、避難所にも可能な限り対応表を貼り出すようになっています。
この対応表、どこの避難所でも周囲からよく見えるところに貼ってあるのですが、結構気がつかない人がいるようで、水害が起きそうだからといって水に浸かるエリアにある避難所に避難しようとする人がいます。
せっかく貼り出してあるのですから、お住まいの地域の避難所がどのような災害に対応しているのかをしっかりと確認し、避難所で被災することがないようにしてください。
情報提供とリスク
自治会や自主防災組織による地区防災計画の策定でネックになるのが、個人の情報をどうやって提供してもらうのかということです。
隣近所がわからないこのご時世、そこに誰が住んでいるのかは情報の提供を受けない限り、さっぱりわからないものです。
もちろん自治会に入っていれば家族構成はある程度わかりますが、そこに住んでいる人がどのような状態で災害時にどのような支援がいるのかは、恐らく誰にもわかりません。
普段の生活でも支援のいる要支援者については、福祉と防災と地域が連携して要支援者の支援計画を策定することになっていますが、普段の生活はできているが、災害時の避難などに支援のいる人についてはどこも拾うことができません。
ただ、家族の状態を知られるのがあまり嬉しくない人もいらっしゃるので、放っておいてくれと情報提供を拒否されることもあると思います。
また、個人情報を気にする人にとっては、情報は行政が持つべきで近所の人が知るべきではないと考えている人もいますので、文字通りの地区防災計画を策定しようとしても一筋縄ではいかないのが現状です。
ただ、地区防災計画というのはその地区全てが該当者になるわけではなく、地区防災計画の策定に関わった人に対する計画だということに留意して下さい。
つまり、賛同者だけで計画を策定しても法律上は何の問題もないということになります。
逆に考えれば、地区防災計画は一人で作っても「自分の地区防災計画」として認められますので、他の人が策定した地区防災計画に従わなくてもいいということで、情報提供はしなくてもいいということになります。
ただ、その場合には何か起きても全ての責任は自分に降りかかってくるということを肝に銘じておかなければなりません。
家屋が倒壊してもまず助けてはもらえませんし、状況によっては安否確認すらしてもらえないでしょうが、その覚悟を持ったうえでご自身の情報を提供しないという選択肢を選んで欲しいと思います。
どこも人手が足りない今、正確な情報を提供して非常時には助けて欲しいとお願いしている人と、自分の情報は出さないが非常時は助けて欲しいという人では、助ける優先度が変わります。
そういったリスクがあることを考えた上で情報提供について考えて欲しいと思います。
おうちの中の避難経路図を作っておく
3月16日の夜に宮城県や福島県を襲った震度6強の地震ですが、被害に遭われた方にはこころからお見舞い申し上げます。
今回のように大きな地震では、揺れが収まったらいったん建物の外に出ることが安全確保に必要だとされています。
そのため、人の集まる施設や宿では避難経路図が作られていて、その経路図に示された経路は安全に避難ができるように他の場所よりも注意を払って管理がされています。
では、あなたのおうちでは、地震後の屋外避難をするとき、どの経路を使って外に出れば安全を確保できるかを理解していますか。
小さかろうが狭かろうが、避難経路がきちんと確保されているかどうかの確認は家族みんなでやっておくことをお勧めします。
ものが多いおうちでは、どこもかしこもすっきりと片付けることは難しいと思います。でも、避難経路に指定した場所だけを意識して片付けるのであれば、そこまで難しくは無いと思います。
また、避難経路を考えることで思わぬおうちの問題に出会うこともありますから、こういった点検は定期的にやって、避難経路にものが置かれていないかなどをしっかりと確認しておいてください。
余談になりますが、耐震補強や耐震建築物と呼ばれている建物は、震度6強から震度7に耐える構造になっていますが、それは1回被害にあっただけの場合です。
2回目以降は倒壊しないという保障がありませんので、耐震補強や耐震建築物であっても、いったんは建物の外に逃げて様子をみたほうが良さそうですよ。
災害報道のワナ
大規模な災害が起きると、マスコミ各社はこぞって被災地へ押しかけ、ありとあらゆる情報を得ようとします。
報道の自由という言葉があるとおり、活動自体は自由なのですが、ちょっとだけ考えて欲しいことがあります。
それは、視聴者は提供される情報を選べないということ。
マスコミの特性として、よりセンセーショナルな報道をしようとする傾向があります。被害の大きい現場とそうでない現場があったとしたら、被害の大きな現場を報道したがるのです。
その結果、被害の大きな報道されたところばかりに支援が集まり、他の場所は置き去りにされてしまうという事態が発生します。
例えば、2018年の西日本豪雨では報道の繰り返された岡山県倉敷市真備町と広島県呉市天応地区には大量のボランティアが集まりましたが、それ以外の被災地域ではボランティア不足という深刻な問題が発生しました。
報道の仕方だけではないと思いますが、マスコミの人には気をつけてもらいたいなと思う部分です。
センセーショナルな絵は視聴率という数字を稼ぐ元になります。
ですが、災害報道に関しては視聴率を追うのを止めて、現地の状況を公平に、冷静に息長く伝えていって欲しいなと思います。
【お知らせ】地域防災力強化の講演を見ることができます
一般財団法人日本防火・防災協会様の主催で、地域防災力の充実強化のための講演について、オンラインで見ることができますのでご紹介します。
日本防火・防災協会は毎年防災に関する講演会をやっているのですが、新型コロナウイルス感染症が流行していることから、今年度はオンラインでの開催になったようです。
講演の内容は自主防災組織や女性と災害史などさまざまですので、リンク先からあなたが聞いてみたい講演を選んで聞くのもよいのでは内かと思います。
詳細はリンク先をご覧下さい。
■地域防災力の充実強化のための講演(日本防火・防災協会のウェブサイトへ移動します)
災害とパニック
火災や緊急事態を題材にした映画やドラマでは、ほぼ100%パニックが起きる描写がされていますが、実際のところはどうなのでしょうか。
試しに、大きな地震の場面、または大規模な火災に遭遇した人達を撮影した映像を探して見てみて下さい。
そこに映っているのは、パニックになって我先に逃げ出す人では無く、お互いに顔を見合わせたり状況を確認するために周囲を見回したりする人が殆どだと思います。言い方を変えると、ほぼ100%パニックは起きていないことがわかります。
個別には、出入り口に人が殺到したりすることはありますが、概ね落ち着いた雰囲気で避難を行っているものが殆どで、どちらかというと、その場で地震の感想やお互いの 安否確認が始まったりして、すぐに安全確保をしないことが問題になりそうです。
もちろん地震が起きると怖くて泣いてしまう人はいると思います。
ただ、それも全体から見るとごく少数。多くは冷静に状況を見ているか、もしくは茫然自失、あるいはちょっとした興奮状態になっています。
施設管理者や避難誘導担当は、パニックになるかもと情報を規制してしまうことが多いみたいですが、実際には正しい情報を伝えても案外と冷静な判断をしてくれるものです。
逆に正しい情報が与えられない方が混乱を生み出すことになると思います。
怖いのはパニックでは無くて情報不足による判断の停止ですので、パニックを本当に防ごうと考えているのであれば、積極的に正しい情報を提供することをお勧めします。
ちなみに、正しい情報というのは「現在は状況がわからない」というのも含みます。
今、施設管理者や避難誘導担当者が把握している情報はさまざまだと思いますが、憶測では無く現在把握できている範囲の情報をきちんと整理できるような、そういった訓練をしておくといいと思います
【終了しました】【お知らせ】島根県庁で防災に関する展示が行われます
島根県庁では令和4年3月9日から3月18日まで、県庁1階ロビーで東日本大震災の記録映像や防災に関する展示を行うそうです。
東日本大震災の映像の他にも、ガラス飛散防止フィルムや家具転倒防止装置などの地震対策用品や非常用持ち出し袋、避難所で使う段ボールベッドなどの展示があります。
また、今回は島根大学教育学部附属義務教育学校の生徒さん達が作った防災新聞や防災パンフレットも展示されるそうです。
お近くにお出かけの際は、少し足を伸ばして見学してみてはいかがでしょうか。
島根県報道発表資料「防災意識の普及・啓発を図るため、防災に関する展示を行います」(島根県のウェブサイトへ移動します)