【お知らせ】大雨の災害レベルを表示する色が変更されます

 大雨での災害レベルについて、表示する色の変更をすることが発表されました。
 詳しくは内閣府防災情報のページの報道発表資料を見ていただきたいのですが、色の判別がしにくい人にもわかりやすくするということで、レベル4の赤紫が紫に、レベル5の紫が黒にそれぞれ変更されるとのことです。
 災害時に伝える情報の中で、色は割と大切な意味を持っています。色で現在の状況を伝えることができれば耳の聞こえない方や日本語が不自由な人でも状況がわかります。
 色の問題は結構悩む部分ではあるのですが、弱視や色弱な方でもきちんと情報がわかるようなはっきりとした色で伝えることができるのならいいなと思います。
 参考までに、変更前と変更後の色について比較したものを載せておきます。

注:この表の色は指定された色コードを使っていませんので、厳密には異なります。

 指定されている色コードとは少し異なる色になっていますが、内閣府防災担当の報道発表資料には色の指定コードも出ていますので、活用されるときには参考にしていただきたいと思います。
 ちなみに、この変更は遅くとも9月までに行って欲しいとのことです。

○参考資料
令和2年記者発表・公表資料一覧
大雨の警戒レベルをわかりやすく伝えるために5色の配色を定めました
(R2.5.29公表:pdfファイル 256.7KB)

避難開始のルールを決めておく

 災害情報や警戒レベルについては以前「災害時の情報にはどんなものがあるだろう」という記事で触れたことがありますが、警戒レベルについてはレベル順に発表されるとは限りません。
 短時間に集中してピンポイントで降るような雨の場合だと、警報から二つレベルが上がっていきなり「避難勧告」が出るケースも想定されます。
 そのため、警報が出たらその後どのように雨が降りそうなのかについてアメダスや降雨量、雨雲レーダーなどの気象情報を確認して置かなければなりません。
 緊急時に判断するときには、大抵の場合「これくらいなら」とか「まだ大丈夫」といった正常性バイアスによって気がつくと避難するのに手遅れの状況になっていることもよく起きますので、自分たちが「何が起きたらどこへ避難を開始するのか」を平常時に決めておかなければ冷静な判断はできないと思います。
 平常時に決めた避難基準、例えば「時間雨量が30mmを超えたとき」や「近くの川の水位が一定量を超えたとき」「家の前の側溝が溢れたら」などの条件が満たされたら、いろいろ考えずに避難を開始することをルール化しておきます。
 もし避難後に何も無くても、「何もなくてよかった」のですから喜べばいいのですし、判断基準がおかしいかなと感じたら、その感覚を元にして避難開始のルールを変更すればいいだけの話です。
 「避難所」が開設されていなくても「避難できる場所」を決めておけばそこで過ごせばいいですし、「避難場所」であれば条件なしに避難をすることが可能です。ただ、避難場所は殆どの場合場所だけの提供となりますので、雨を凌げる装備が必須となることに注意してください。
 また、水没や崖崩れなどの心配が無い場所や近くに避難できる場所がどうしても見つからないなら、家の中の上層階への避難でもやむを得ません。(避難所の詳しいことについては当研究所の投稿記事「避難所の種類と機能について考える」をご覧ください。
 いずれにしても、避難開始のルールを決めておくことで避難遅れはなくなりますから、どうなったらどこへ避難するというおうちのルールを作って、家族みんなで共有しておいてくださいね。

気象の注意報と警報の基準を知っていますか

 ここのところ、石西地方でよく出ているのが雷注意報と強風注意報です。
 雷注意報も強風注意報も、イメージとして雷が起きるようになるのかなとか、風が強くなるのかなという感じはありますが、その発表される基準ってなんだろうと思ったことはありませんか。
 注意報も警報も、気象庁ではきちんと発表する基準が決まっています。市町村ごとにその基準が設定されているため、注意報や警報が発表されるときには市町村ごとに発表されています。

警報・注意報発表基準一覧表(島根県)(気象庁のウェブサイトへ飛びます)

 基準をそれぞれ調べてみると、石西地方の益田市、津和野町、吉賀町はいずれも平均風速12m/s以上の風が吹きそうな状態の時に強風注意報が発令されることになっていました。
 この基準というのはさまざまな条件で発表される基準が引き下げられることもあるようで、例えば、地震や水害の後でいつもよりも少量の雨で被害が出そうなときなどに、大雨注意報や大雨警報の基準が引き下げられています。
 強風注意報や暴風警報の条件が引き下げられる状態というのはいまいちイメージができませんが、それでも何かの拍子に基準が変わることもありそうです。
 ちなみに、暴風警報は平均風速が20m/s以上で発表されるようですが、この基準も益田市、津和野町、吉賀町では同じでした。
 風速の数値だけ聞いてもなかなかイメージが難しいのですが、近くで体験できる施設として、広島市江波山気象館があります。
 現在新型コロナウイルス対策のため閉館中だそうですが、ここの突風カプセルという風の体験装置では風速20m/sの風を体験することができます。

広島市江波山気象館の突風カプセル。風速20m/sの風が体験できる。

 他にもさまざまな気象に関する展示がされていて、非常に楽しく気象が学べる施設ですので、再開されたら是非一度お出かけください。

災害時の情報にはどんなものがあるだろう

 災害で危ない目に遭わないようにするためには、災害が起きる前に自分の安全を確保することが大切です。その判断基準の一つとして、行政機関が発表する各種情報がありますので、今回はこの情報について確認してみることにします。

1.情報の種類

情報の種類には、大きく分けると3つあります。

(1)気象庁が出す気象情報

 気象庁や各気象台が出す情報で、早期天候情報、各種注意報、各種警報、各種特別警報など、おそらく一番よく見聞きする情報です。テレビやラジオ、インターネットなどで確認できます。

(2)気象庁と関係自治体が出す河川情報及び土砂災害情報

 国、都道府県が管理している河川の水位とその水位に基づく河川情報、雨や水量の状況によって起きる土砂災害に関する土砂災害情報があります。
これらの情報は重複して提供されていたり、管理区間だけ提供されていたりとややこしいので注意が必要です。
 河川情報は国土交通省の各河川事務所、土砂災害情報は各都道府県の砂防事業を担当している部署のホームページ、または都道府県の防災ポータルでも確認できます。

(3)市町村が出す避難情報

 上記(1)や(2)の情報を元に、市町村が集めた情報を総合的に判断した上で避難情報を出しています。市町村からは防災無線や防災メール、一部ではSNSでも提供されています。

 ご覧のように、さまざまな行政機関がいろいろな情報を出しているため、去年情報の緊急性を示すレベル表示が導入されたのですがこのレベルだけではなんのことかわからないということで、現在はレベルと避難情報を併記した状態情報が提供されています。
 次に各レベルと対応する各種情報を並べてみます。

2.発表されるレベルと情報の関係

(1)レベル1

 気象庁が天気でなんらかの危険の兆候が見られるときに出す早期天候情報。これが発表されると「レベル1」になります。
 ラジオやテレビの気象コーナーでも触れられることがありますが、1週間程度前から危険が予測されそうな場合には情報が出されます。精度的は低めですが、これが発表されたら非常用持ち出し袋の中身や備蓄品の確認をして、不足しているものがあったら買い足しておくようにしてください。

(2)レベル2

 気象庁の「大雨注意報」や「洪水注意報」、国や都道府県の「河川洪水注意報」や「土砂災害注意情報」などが発表されたときに「レベル2」になります。
 これが発表されると、この先危険になる可能性があるということですので、あらかじめ決めてある避難経路を確認して、いつ、どこを通って、どのような手段で、どこへ避難するのかを見ておいてください。
 また、気象情報に意識を向けるようにしてください。

(3)レベル3

 気象庁の「大雨警報」「洪水警報」国や都道府県の「河川氾濫警戒情報」「土砂災害警戒情報」が発表され、住民通報や道路などの状態から危険が迫っていると判断されると「レベル3」が発表されます。
 「レベル3」は避難情報では「避難準備・高齢者避難開始」といい、災害が起きる可能性があるから避難準備を始めること。乳幼児がいたり、高齢者の方や障害者の方など、避難に時間のかかりそうな人や土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域に住んでいる人は、準備ができ次第すぐに避難を始めてくださいというお知らせです。
 ここからはだんだんと緊急性を帯びてきますが、「レベル3」は比較的早い段階で発表されるので、避難に車を使うことが可能です。家に不安のある人や、孤立しそうな場所の人も、できれば避難した方がいい情報です。

(4)レベル4

 市町村の発表する「避難勧告」や「避難指示(緊急)」がこれに当たります。
 国や都道府県では「河川氾濫危険情報」や「土砂災害警戒情報」の発表も判断基準の一つとなっていますが、これが発表されるときには小さな災害は発生しています。危険地域に住んでいる人は何を置いても避難してください。避難に時間のかかる人がいる場合には、二階に避難するなど屋内での垂直避難も考えるような状態です。これが発表されたら、原則として避難に自動車ではなく徒歩での避難になりますので注意が必要です。

(5)レベル5

 市町村では「災害発生情報」の発表となりますが、これが出るような状況だと多くの場所でいろんな災害が起きている状態です。
 気象庁が出す「大雨特別警報(浸水害)」「大雨特別警報(土砂災害)」、国や都道府県では「河川氾濫発生情報」がレベル5の判断基準となっていることからも分かるとおり、完全に災害となっています。
 もしこの発表があったら、その時点・その場所でもっとも安全と思われる場所へ直ちに避難をしてください。

 ここまで読んで気がついた方もいらっしゃると思いますが、「避難命令」は災害の避難情報には存在しません。最上位でも「避難指示(緊急)」ですので、避難に関する情報については気をつけていただければと思います。

 今まで説明した内容を一覧にするとこの表になります。(出典:気象庁HP)
 自分は避難すべきかどうか、避難するとしたらどの情報が出たときに避難を開始すればいいかを、今までの説明とこの表、そしてあなたの状況を考えて決めておいてください。
 また、この表の色は、そのまま「土砂災害情報」や「河川情報」のメッシュ地図で使われているものです。紫が一番ひどい状態だと言うことを覚えておくといいと思います。ただ、一つ例外があるのは気象庁の雨雲レーダーです。これは一番強い雨雲を赤で示すことになっていますので、そこだけ注意してください。

3.避難の判断基準

 避難の判断基準はあなたの状態や避難先、そして気象条件により変わるため、一概にこうだということは言えません。
 おおざっぱに書くとレベル3からレベル4の間で避難の開始から完了まで済ませることができれば、概ね安全だと言えるでしょう。
ただ、現在起きている、または起きそうな災害に対応している避難先でなければいけませんので、そこだけは注意するようにしてください。
 もし避難所(一時避難所、避難場所含む)に避難されるときにはその避難所がどんな災害に対応しているのかを事前に確認し、避難先を決めておくことをお勧めします。避難所の性格についてはこちらでご確認ください。

情報は早めに収集を始める

 インターネットが普及して、災害に関係する情報は個人で集めやすくなりましたが一斉に情報を集めようとした結果、通信回線がつながらなくなったという笑えない状態が多発しています。
 私も経験したことですが、台風や大雨などで雲の動きが気になると、気象庁や日本気象協会、ウェザーニュースなどといった気象情報を提供しているサイトへのアクセスが集中してつながらなくなります。
 また、地元自治体のホームページも同様で、情報が必要になったときほどインターネットがつながらない状態になっています。
 これを防ぐためには、早めに情報を集めて予測し、被害が起きる可能性のある地域に住んでいるなら、被害が想定される前に安全な場所へ避難してしまうしかありません。自分の安全が確保されていれば、テレビやラジオといったマスメディアが発信する情報でも充分間に合うので、つながらないネット環境に焦る必要はなくなります。
 災害が起きそうなときに知りたいのは、自分がいる場所がどうなっているのか、そしてどうなるのかといった内容ですが、残念ながらそれがピンポイントで分かるものというのは、なかなかありません。
 ただ、自分が欲しい情報がどこにあって誰が提供しているのか、そしてその内容の精度や発信間隔はどうなっているのかなど、事前に調べておけばいざというときに困ることも迷うこともなくなると思います。情報はどこでどのように集めるのか、そしていつの時点から収集を始めるのかなど、あらかじめ自分の中でルールを作って決めておくと困らなくて済みます。
 インターネットで情報を集めようと考えている方は、ぜひ平常時に情報を見に行く先を選んでおいてくださいね。

■台風と温暖化

 ここ数年、大規模な台風の襲撃が続いていますが、ちょっと気になるニュースを見つけました。

温暖化で台風遅くなる 被害拡大の恐れ―気象研(2019.01.08時事ドットコムニュース)

 ニュースの内容は、地球温暖化が進むと、台風を動かすための偏西風が北上してしまうため、移動速度がゆっくりとなりそうだという気象庁気象研究所の研究成果が発表されたそうです。
 そうでなくてもここ最近の台風は大型化した上になかなか勢力も衰えないという状態になっているわけですが、その上移動速度がゆっくりになると、長時間にわたって居座るため、被害が大きくなりそうです。
 さまざまなところで影響を与えている温暖化。人ごとではなさそうです。

災害時のデマの見分け方

 災害が起きると情報が混乱しがちです。そして、そういうときに限って愉快犯が「おかしな情報」を流して混乱に拍車をかけようとします。
 「おかしな情報」は、悪意ではなく善意で広がるので始末が悪いのですが、デマだろうなということを見抜くいくつかのポイントがありますので、今日はそれをご紹介したいと思います。

1)やけに時間がはっきりしている

「今日の午後6時に大きな余震が来る」というように地震が発生する時間がはっきりしているような情報は、まずデマだと思っていいでしょう。いろいろと言われる人はありますが、現在の科学で地震の発生時刻を正確に予想することはできません。災害が発生することを予測できるのは、せいぜい大雨による水害か、あるいは台風くらいでしょう。そしてこれらは伝聞ではなく、気象庁や自治体からきちんとした情報が出されていますので、そちらを確認してみてください。

2)職業だけが具体的で正体のわからない人が伝聞調で未来の災害について話している

 「知り合いの自衛官から聞いたんだけど・・・」「友達のいとこの警察官が・・・」などというような、職業ははっきりしているにもかかわらず発信者の正体がわからない情報は、ほぼデマだと考えて間違いありません。
 基本的にこれら現場で業務に当たる人が未来で起きる災害のことを伝えられていることはありません。あるとすれば、予測が可能な災害でしょうが、その場合にはこういった人だけではなく、気象庁や自治体が同じような情報を発信しています。

3)写真が添付された情報なのに、具体的な場所や人物が特定できない

 熊本地震のすぐ後で逃げ出したライオンの写真がSNSで拡散されたことがありましたが、いつ、どこで、誰がどんな状況で撮影したのかということは一切書かれていませんでした。記事の中に、読んでいる人をミスリードするような情報を書くことで、読んだ人は誤解するが書いた本人は言い逃れができるような書き方をされていることが多いです。
 本当に問題となる記事の場合には、多くの場合「いつ」「どこで」という情報が大抵の場合記載されています。また、もし何か重要なことをSNSで発信する場合には、いつ、どこで、だれが、どんな状況かということは記事として記載しなくてはいけないと考えます。

 とりあえず、今回は3つほどあげてみましたが、災害時には普段なら一笑に付すような内容でも真剣に受け止められてしまうものです。
 被害に遭っていない地域の人から見れば、他人事で面白いかもしれませんが、当事者にとっては死活問題。
 災害に関する情報を発信する際には、とりあえず上の3つを確認してみて、どれかに引っかかるようだったら一度確認をするという作業をした方がよいと思います。あなたが発信する情報が被災地で混乱を巻き起こさないためにも、その情報が客観的に見てどうなのかを考えてみてくださいね。

経路のチェックと籠城計画

 あなたは普段自分が使っている通学路や通勤路が水没しそうな場所についてチェックしていますか。特にアンダーパスや低い土地を通る人は要注意です。最近の雨は短時間に集中して降ってくるため、側溝などの排水能力を超えて水没することが増えています。そのため、例えば避難勧告が出て学校や職場が閉鎖となり、家に帰ることになった時、気がついたら周辺が完全に水没して動きが取れなくなってしまうと言うことが起きることになります。

 本来なら、災害が発生する前に、例えば大雨特別警報が出たらそのまま学校や職場にいるのと、そこから家に帰ることのどちらが安全なのかをきちんと分析しておく必要があるのですが、現在は「災害=帰宅」となっていることが多く、当然学校も職場もそこで籠城するための準備も設備もありません。避難所に指定されているところでさえ、資材は備蓄基地から発災後に運んでくると言うような計画になっていて、そこには空間しかないという場合がほとんどです。災害が発生すると帰宅できなくなる事態が発生することも想定して、それぞれがある程度の備えをしておくことが必要ではないでしょうか。

 お互いがどこで安全を確保しているのかがわかれば、心配することもありませんし危険な中をお迎えに急ぐ必要もありません。

 これは学校や職場に限らず、例えばディサービスなどでも同じことで、そこにいるときに災害が発生した場合どうするのかについて、しっかりと取り決めておくことです。災害は待ってくれません。特に人を預かる場所については、しっかりとした取り決めをして、関係者に周知徹底しておく必要があると思います。

地面の歪みを確認してみよう

 地震というのは、地面がぶつかり合って発生した歪みか、もしくは歪んだ地面が元に戻ろうとする力によって発生する自然現象です。
 地球というものにマントルが存在し、その上に地面が乗っているという構造上、地面が引っ張られたりぶつかったりすることは避けられませんし、そうすると地震が発生することも仕方のないことだと言えます。
 で、そんな大地の歪みがどう変化しているのか、東日本大震災前後だけですが、国土地理院のホームページに移動を映像化したものが出されています。

東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動映像(wmv形式:国土地理院)

 東日本大震災ではおよそ6m程度大地が移動したようですが、これを見ると日本全国どこで地震が起きても不思議ではないなと感じます。
 最近ではこの情報を使った重点監視地域なども出てくるようになりましたので、気象庁だけでなく、こういった国の行政機関の情報も上手に活用できればいいなと思います。

https://mekira.gsi.go.jp/index.html (国土地理院地殻変動情報)

国土地理院のホームページは、これ以外にも地面の高低差を好きな間隔で塗り分けることができたり、地図の拡大縮小などができるようにもなっていますので、家族の防災計画を作るときに活用すると、ハザードマップだけではない生きた情報を使うことができますよ。

【活動報告】避難訓練を見学させていただきました【益田市立高津小学校】

屋上に避難する生徒たち。写真は加工してあります。

 10月23日に益田市立高津小学校で実施されました避難訓練を見学させていただきました。
 この避難訓練は毎年されているそうですが、去年から定型通りのものではなく、実際に災害が起きて避難したらどうなるかということで、想定に基づいて避難先まで避難する訓練をされているそうです。
 今回の想定は地震から津波が発生、4分以内に屋上へ避難という設定で、実際に屋上まで想定時間内に避難が可能かどうかを確認されていました。
 生徒たちの動きはかなり素早く、段取りよく避難がなされていましたが、狭い廊下で人が合流する場所ではどちらが優先になるのかを迷ったり、各所の点検で未確認の場所があったりと、予定調和ではない訓練なのでさまざまな小さな問題が起きていました。
 これらの問題を解決することで、より確実に避難できる、安全確保をすることができる方向に進んでいくとよいなと思います。
 人間はやったことしかできないし、知っているだけでは実際には動けないものです。本気で実施する訓練は駄目出しの繰り返しですので、どんなに回数を重ねても完璧ということはありません。 難しい想定はいらないと思いますが、誰もが何か起きたとき、無駄のない動きと判断を行えるようになるといいなと思います。
 お忙しい中、見学について快諾いただきました益田市立高津小学校の大橋校長先生、担当の岩田先生始め各先生方と生徒の皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。