防災と減災という言葉

 あなたやお住まいの地域、職場等が目指している災害対策は「防災」ですか「減災」ですか。
 防災と書くと、文字通り「災いを防ぐ」ということで、災害を防ぐためにさまざまなハード面、ソフト面の整備をし続ける必要がありますが、それができるのかというと、無理だろうなという気がしています。
 現に国や地方自治体が作成した砂防堰堤などの防災施設では、定期的に施設に溜まった土砂を取り除く必要がありますが、数が多いのと維持費が少ないことから遅々として作業は進んでいません。
 では、最近使われるようになった「減災」はどうかというと、「災いを減らす」という考え方なので、最終的に災害から受ける被害が可能な限り少なくなればいいということになり、できる範囲で対策すればいいことになります。
 例えば、防災というとそもそもその地域に災害が起きないようにしないといけませんが、減災となると、カバンにようかんを一つ忍ばせておくだけでも、それが非常食となって減災の一つとなります。
 言葉遊びの世界になりますが、自分がやっている災害対策は防災なのか減災なのかを考えながらやってみると、意外と楽しめるかもしれません。
 ちなみに、当研究所は石西防災研究所といいますが、やっている活動内容は減災を基本とした考え方で活動をしています。
 ではなぜ減災研究所ではないのかというと、これは言葉の知名度の問題です。
 石西防災研究所というと災害対策をやっているところなのかと殆どの人が理解してくれますが、石西減災研究所と書くと、具体的に何をしているのかを聞かれることがかなり出てくると思っています。
 名は体を表すではありませんが、看板で何をしているのかを理解してもらわないといけないと考えていますので、今後とも減災活動をする防災研究所という看板で活動をしていくと思います。