【災害遺構を訪ねて】「日原の汗かき地蔵尊」

日原には地元で大切にされているお地蔵様があります。
町が設置したと思われる観光標識にも「汗かき地蔵」と記載されているこのお地蔵様は、立派な地蔵堂に納められています。

 表にある看板によると、元々はここにあった宝泉寺というお寺の入り口にあった、紀伊の国からきたお地蔵様なのだそうですが、宝泉寺の移転の際に何人がかりでも決して動くことがなかったため、現在の地に祭られているのだそうです。
 伝承では、このお地蔵様のいる村に何か変わったことがあるときには首から上の部分に玉のような汗をかいて教えてくれるそうです。
 最近では昭和9年1月20日の大寒の日に汗をかかれたとのことで、悪い風邪が流行るから気をつけるようにというお知らせだったそうです。
 その時におられた方が、お地蔵様が汗をかいたのを見るのは3度目だという話があったそうで、流行病やひょっとしたら天変地異でも汗をかかれていたのかもしれません。
 現在新型コロナウイルス感染症の変異型で都会地が大騒ぎしていますが、お参りしてお地蔵様を見る限りでは特に汗はかかれていなかったので、この地域では大丈夫なのかなと感じました。

 ただ、状況は変わっていくと思いますので、実際にお地蔵様が今どんな状態なのかは、一度出かけて自分の目でご確認いただければと思います。

 入り口にはお地蔵様の御真言が書かれていたりするので、お参りの際にはこの御真言を唱えるといいそうです。
 コロナ禍で遠くにお出かけできない状況が続いていますが、こういった地域の知る人ぞ知る場所を巡ってみるのも面白いかもしれませんね。