被災写真はしっかり撮っておこう

 台風10号は北の方に去って行きましたが、あちこちで大きな被害を残していったようです。全容把握はこれからといったところでしょうが、被災された方にはお見舞い申し上げます。
 今回の台風10号に限らず、大規模な災害が起きるたびに書いていることではあるのですが被災した後は復旧が待っています。
 少なくとも、自宅が被災したらその片付けと掃除、消毒、乾燥、そして修繕と、復旧が完了するまでにはかなりの労力と時間を投入しなくてはいけないのですが、それらの作業に入る前に必ずやっておいて欲しいことがあります。

それは

被災したことをはっきりさせるための写真をたくさん撮っておくこと

です。


 自宅の被災では、自分の生活環境を取り戻すために片付けをすぐに開始したいところなのですが、行政の罹災証明書にしても、保険会社への保険請求にしても、基本的には被災した状況を現地で確認するという原則があります。勝手に片付けを始めてしまうと、行政や保険会社が調査に来たとき、そこまで大きな被災はしていないと判定されてしまって後で困ることがよく起きます。

 また、大規模災害だと調査そのものがいつ来るか分からないという状況になることもあります。そのため、被災状況が確認できる写真をなるべくたくさん撮影しておいて一致調査しなくても手続きをすることができるようにしておく必要があるのです。
 遠景、近景、被災箇所の確認できる写真など、こんなにたくさんと思うくらい撮影しておいても困ることはありません。
 被災状況が撮影されていないことの方が問題になるのですから、無駄になってもいいので、とにかくいろいろな角度からいろいろわかる被災状況写真を撮っておくことです。被災状況をどのように撮影したら良いのかについては、「浸水した家屋の片付けと掃除のしかた」(NHKウェブサイト・災害列島)を参考にしていただければと思います。
 それから復旧に際して意識しておいた方がいい点については、以前「被災後の段取りあれこれ」で書いておりますので、よかったら参考にしてください。

 いずれにしても、自宅など生活や仕事をする空間は調査を待っているわけにもいきません。行政や保険会社に了解を得た上で、さっさと復旧作業に入るようにしましょう。また、最近立て続く災害のせいで、復旧を始めたら次の災害を受けたという地域も出てきています。手早く全てを行うことはできませんが、何から手をつけるのかをしっかりと決めた上で作業に入り、できるだけ早い復旧ができますことを願っています。

参考情報

浸水した家屋の掃除と片付けのしかた」(NHKウェブサイト「災害列島」へ移動します)